スーダンの穏やかさに包まれた半年間−隊員生活を振り返って−

2010年2月3日

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配属先の同僚と一緒に。

スーダン国際協力省でコンピュータ技術隊員として半年間の活動を終えた小松隊員に、スーダンでの生活を振り返っていただきました。小松隊員の主な活動内容は、同僚のパソコントラブルに対応すること。1日あたり数件のトラブルに対応したそうですが、中には1件解決するのに数時間かかることもあったそうです。小松隊員にとってイスラム圏で暮らすのはスーダンが初めて。その活動・生活ぶりはどんなものだったのでしょうか。

1.スーダンでの活動や配属先の雰囲気はいかがでしたか?

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同僚が開いてくれた送別会では、スーダンの国の形をした木彫りをプレゼントしてもらいました。

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自分の席は研修室の一角。いつも静かですが、ときどき研修生の女性たちとおしゃべりを楽しみます。

日によってはいくつものコンピュータのトラブルが重なって、忙しく感じる時もありました。しかし、トラブル対応を通して、配属された部門だけでなく省内ほとんどのスタッフとコミュニケーションを取れたことがとてもよかったです。つらかったことは、スタッフからコンピュータを直してくれと言われても忙しくて待たせてしまい、イライラしたスタッフがクレームを言ってきたことです。それでも、コンピュータを直し終えると「ありがとう」と言ってくれるので、やりがいはありました。このほか、スーダンでは男性同士が手をつなぐ習慣があるため同僚が手をつないできたり、日本人のストレートの髪質が珍しいのか髪を触ってきたりと、何度も異文化を感じる経験をしました。活動最後の日には、大勢のスタッフが勤務時間を過ぎた夕方5時まで残り、送別会を開いてくれました。とてもうれしかったです。

2.スーダンでの生活・暮らしぶりはどのようなものでしたか?

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犠牲祭で羊が屠殺される場面

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仕事が終わった後にテニスの自主トレ。週末に向けて練習を重ねます。

最も印象に残っているのは、同僚の家に2回ホームステイさせてもらったことです。イスラム教の宗教行事である断食明けと犠牲祭の時にお邪魔しました。とくに犠牲祭では、神に感謝をし、羊が犠牲となり屠殺されるというイスラム教の行事に立ち会うことができ、日本ではできない経験をしました。

週末はJICAや大使館、国連、NGOの関係者とテニスやサッカーをしていました。テニスは初心者だったので、他の人についていけるよう、仕事が終わると職場の1階で自主トレの壁打ちをしていました。

3.スーダンでの食事はいかがでしたか?

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ホームステイ先で食べたスーダン料理。写真(上)中央の赤いソースがかかった食べ物がアシダ、その手前がターミヤ。

食生活には苦労しました。任期前半は自炊に挑戦しましたが、後半はもっぱら外食で、主にシャワルマ(小麦粉を練って焼いた薄い生地に細切れの焼いた肉と生野菜を置いて巻いたもの)を食べていました。家の近所にターミヤというヒヨコマメのコロッケを売っている店があり、ここもよく利用しました。また、スーダンでは牛乳が1リットル当たり200円と高価なので、値段が安いヨーグルトでカルシウムを補給するようにしました。一時期ゆで卵ばかり食べておなかの調子を悪くしたことがありますが、そんな時もヨーグルトは腸の働きを整えるのに効果的でした。

スーダン料理を食べる機会もしばしばありました。とくにアシダというソルガムの粉で作られる伝統料理はおいしかったです。また、スーダン特産のすっぱいカルカデ(ハイビスカスのお茶)が個人的にはとても気に入っています。

4.スーダンの印象は赴任前後で変わりましたか?

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自宅近くの売店。いつも利用していたお礼に愛用の帽子をプレゼントしたら満面の笑みをみせてくれました。

大きく変わりました。赴任前は、イスラム圏といえば宗派の違いで起こる紛争の話題ばかりメディアで見聞きしていたので、悪い印象をもっていました。しかしスーダンでは、イスラム教の慣習である1日5回のお祈りで精神を安定させたり、モスクに行くことで地域住民との絆を深めたりと、宗教が社会秩序を保つために合理的に機能している印象を受け、想像していたイスラム圏の印象を覆されました。私は以前他国で隊員として活動した経験がありますが、比較するとスーダン人は穏やかでとても接しやすく、友達にもなりやすかったです。暑い気候で砂嵐に見舞われるのは大変ですが、治安は比較的良く、周りに対して過度に気を配る必要もありませんでした。自宅近くの店が開け放しのまま誰もいなかったことがあり、売り物のジュースを飲んで、お金だけ置いて帰ったこともあります。どの店も鉄格子で囲まれているような危険な国とは違い、スーダンは穏やかで平和だなと思いました。

スーダンの住居事情

スーダンでは、家屋にしばしばトラブルが発生します。小松隊員もこの半年間で何度もトラブルに見舞われました。

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壁を接する隣人宅のシャワー室から水が浸透し、自室の壁がふやけてしまいました。

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天井の一部が突然落ちてきました。頭に当たったら大惨事ですが、被害が無かったのをいいことに、大家は一言“No problem!”。スーダンでは屋外より屋内に危険が潜んでいる?!

半年間の生活の中で多くの異文化を経験した小松隊員。帰国時には、またスーダンに戻ってきてもいいと語ってくれました。いつかまたスーダンで活躍されることを期待しています!半年間お疲れ様でした!