愛すべきスーダン人との出会い−隊員生活を振り返って−

2010年6月21日

スーダン大学の体育学部で体育隊員として約10ヶ月間の活動を終えた中村有希隊員に、スーダンでの隊員生活を振り返っていただきました。中村隊員の活動は、主に体操や水泳の指導を通して、将来の体育の先生たちを育てること。体育教科の重要性を広めるため、生徒や先生を対象にしたワークショップを開催するなど、精力的な活動を行ってきました。

1.スーダンでの活動を振り返ると?

スーダン大学体育学部にて、主に体操の指導を行いました。私の配属先はとても向上心が強い先生が多く、いい意見であればすぐにでも取り入れようとしてくれる先生が多かったため、やりがいを感じることができました。

2010年2月には、エチオピアで開催された体育広域研修に同僚と共に参加しました。同僚の知識が深まったうえ、同僚との絆をさらに深めるいい機会となりました。配属先に戻り、エチオピア研修還元ワークショップを先生方対象に1回、生徒対象に4回行ったのですが、当初は4月末に予定していたものの大学側の予算の問題や総選挙による休校が重なり、どんどん先送りになってしまいました。最終的には帰国12日前に全てのワークショップをどうにか終わらせることができ、本当にホッとしました。

何事も思い通りにはいかず、時の流れがゆったりとしたスーダンでの活動でしたが、やる気のある同僚に恵まれ、充実した生活を送ることができました。「有希が取り組んでいる活動はスーダンを良くするためのものだから、それをできる限りサポートするのが私の役割だ」。そう言って努力を惜しまず、最後まで一緒に走り続けてくれた同僚に深く感謝したいです。

2.スーダンでの生活・暮らしぶりは?

スーダンに来る前に抱いていたスーダンのイメージは、「紛争」、「大統領に逮捕状が出ている国」、「難民の多い国」といったダークなものでした。赴任する前には家族や周囲の人に反対もされました。でも、実際にスーダンへ一歩足を踏み入れてみると、人々はとても温かく、親切で家族想いですし、首都にいると同じ国で内戦が起こっているとは思えないほど平和を感じられる国でした。

ただ、3月の終わりから5月にかけては気温が50度近い中で生活し、日差しがとても強く、外に出るのが億劫になってしまうほどでした。毎日、日焼け止めを塗って出掛けても、気付けば時計焼けができ、長袖で覆われているはずの腕も真っ黒。日本から持ってきたファンデーションを顔にのせても白粉のようになってしまうほど焼けてしまいました。

道端の電光掲示板に表示された気温が50度を超えたある日。バスに乗車すると、エアコンがかかっていないので汗だくになってしまい、あまりの暑さに耐え切れず、思い切り窓を開けたところ、頬を刺すような熱風が舞い込んで来てあわてて窓を閉めたことがありました。でも、「50度でも人は生きられる」ということを身をもって証明することができた貴重な経験になりました。

3.スーダンに来て良かったと思うことは?

人の温かさに沢山触れられたことです。

スーダンでの主な移動手段はバスや「リキシャ」と呼ばれる3輪バイクでした。毎日活動には大型バスを利用していたのですが、乗る際に「アッサラーム アレイクム!(こんにちは!)」と挨拶すると、乗車しているほとんどの人が挨拶を返してくれます。時には、大合唱で返事が返ってきます。日本で見知らぬ人に挨拶をしても、返さない人がほとんどですが、スーダンでは返さない人はまずいません。また、バス乗車時に補助席しか空いていない場合には、必ず隣に座っている人が座席を倒して座れるようにしてくれます。とても些細なことかもしれませんが、私はいつもバスに乗るたびに、とても温かい気持ちになり、穏やかな気持ちで毎日の生活を送ることができました。

素朴でどこまでも温かいスーダン人との出会いを通して、人として生きる上で大切なものを改めて考えさせられました。

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体操授業風景
主に女子学生を対象に指導しました。

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水泳授業風景
ナイル川の水で泳ぎます。ビキニ着用の生徒も…

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エチオピア広域研修
同僚と共に創作したエクササイズを他国からの参加者に披露しました。

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エチオピア研修還元ワークショップ
生徒を対象にした教材作りのワークショップ。独創的な作品がたくさん生まれました!

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スポーツテスト
エチオピア広域研修還元ワークショップの中で日本のスポーツテストを提案したら、早速授業で取り組んでくれました。

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バスとリキシャ
いつも乗っているバスです。バスの後方に見えるのが「リキシャ(三輪バイク)」です。