病院発エコ・プロジェクト 子どもたちに手作りの椅子

2012年4月4日

理学療法士 片山 美穂さん(青年海外協力隊)

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脳性まひのハーリド君に足を動かす訓練をする片山さん

ハルツーム市の中心街にある、ハルツーム教育病院では、毎日、30〜40人の子どもたちが、怪我や障がいのリハビリ訓練のために訪れます。

片山さんは、2011年の10月から、青年海外協力隊員として、病院の理学療法科に勤務し、小児リハビリテーションを担当しています。

ハーリド君2歳は、脳性まひのために、一人で座ることができません。治療時間の約15分間、アラビア語で会話しながら、片山さんは座ったり、足を動かす訓練を行います。スーダン共和国では、人口の約15%を占める約590万人が5歳以下の子どもたちといわれています。病院などの医療施設で生まれる赤ちゃんは、2割に満たず、ほとんどの女性は自宅で出産します。先天性の障がいを持つ子どもたちのほかに、母親の分娩時に起因した障がいを持って生まれてくる子どもたちも少なくありません。

病院では、椅子に座る練習をしようと思っても、日本と違って、子どもたちのために適当なサイズの椅子を見つけることができず、片山さんのアイディアで、使用済みの牛乳パックから椅子の製作を始めました。牛乳パック24個で、椅子がひとつ出来上がります。製作者は、子どもたちの順番を待つ母親たちで、スーダン在住の日本人の協力も得て、牛乳パックを回収し、これまで4脚が完成しました。リサイクルの概念は、スーダンの人々には目新しく「日本のすばらしいアイデア」と評判で、スーダン企業からの回収も考えているそうですが、「多くの人が関わった方が、子どもたちの状況を知ってもらうことができます」と片山さん。片山さんの子どもたちに対する熱意は、スーダンで病院発エコ・プロジェクトとして広がっていきそうです。

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40年近く前に建てられた、ハルツーム教育病院では、政府からペンキの塗りなおしのための助成があったものの、施設が十分に整っていません

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子どもの順番を待つ間、牛乳パックの椅子作りを手伝う母親


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椅子づくりには病院スタッフ、順番待ちの母親だけでなく、スーダン在住の日本人の方々もボランティアとして参加されています

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完成したリハビリ用の椅子は、大人が座っても十分な強度。母親たちからは、「かわいらしいので、家でも使いたい」との声も