スーダンにおけるエボラウイルス病対策支援

2015年5月7日

エボラ対策を非感染国スーダン医療従事者に実施し、封じ込めに貢献

2014年3月にエボラウイルス病(以下、EVD)ケースが発生して以来、西アフリカを中心に感染が急拡大して深刻な事態が続いています。アフリカでのEVDアウトブレイクを封じ込めるための追加措置として、JICAがスーダン連邦保健省に派遣しているPHC政策アドバイザーを通じて非感染国のスーダンにおいても対策支援を実施しました。

他国からの感染経路としてリスクの高いハルツーム市内を優先に第一回目(3月8-9日)はハルツーム国際空港検疫所に勤務する31名の医師、公衆衛生師を対象に、第二回目(同月11-12日)には、ハルツーム教育病院の隔離センターに勤務する19名の保健医療従事者へ研修を行いました。2日間にわたる研修には、国境なき医師団スーダン事務所職員を外部講師に招き、国際的に標準化された講義指導内容に沿って実施されました。参加者からは、「EVDの特徴、現在の流行情報、ケースマネジメント、遺体処理、廃棄物処理、サーベイランスなど、EVD対策に必要な正しい知識を包括的に身につけることができた」との評価を頂き、とりわけ消毒を伴う防護具(Personal Protective Equipment:PPE)着脱訓練は医療従事者自身の感染予防対策として十分な時間が割かれて行われました。

訓練用の飛行機も用意され、研修は講義室の外でも行われました。着陸した機内にEVDに感染した恐れのある患者がいるという設定で、患者を3キロほど離れた空港内の隔離センターへ緊急搬送する訓練が実施されました。40度近い外気温の中、訓練用防護具に身をまとい汗だくになりながらも、本番さながらの訓練に皆真剣に取り組みました。

住民啓発活動を行い、EVDに強い社会を作る

EVD対策は保健医療従事者のみ対応すれば良いとは限らず、住民が正しい知識を得て感染に備えることも、アウトブレイクのリスクを最小限に抑えるために重要となります。そのため、JICAは連邦保健省とユニセフと共に、国内全18州から50名の保健プロモーターを首都に招聘し、指導者養成研修を3月11-12日に実施しました。JICAの支援で配布された教材を活用した啓発手法を学んだ参加者は、各州に戻った後に広くコミュニティでの啓発活動を行うことが期待されています。

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訓練用機内では、乗客への正しい指示案内や患者の搬送後の消毒訓練も行われた。

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保健プロモーターは効果的なコミュニケーション手法を学び、コミュニティにおける住民の行動変革を促す。

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連邦保健省流行感染症対策局長代行のモハメッド医師はEVD研修実施資格を得ている数少ない講師人材の一人。

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防護具(PPE)はゴーグル、長靴を除いて使用後は使い捨てになる。今回JICA支援で新たに用意された防護具は、今後の研修等に活用される。