スーダンが母子栄養改善の国際枠組みScaling Up Nutrition(SUN)に正式加盟しました!

2016年1月21日

「スーダン共和国が第56ヵ国目のSUN(注)の加盟国になることを歓迎します。」

サルワさんとシハムさんがSUN事務局からこのメッセージを受け取ったのは、東京で研修を受講している最中でした。「私たちはSUN加盟に向けてご協力いただいたJICAやパートナー機関に心より感謝します」と、スーダン連邦保健省の栄養課長サルワさんは謝意を示しました。連邦農業省食料安全保障技術事務局のシハムさんも「ジュネーブのSUN事務局とのテレビ会議中に、スーダンのSUN加盟のニュースを知らされた時は本当に驚きました」と、振り返ります。二人はスーダンの栄養改善とSUN加盟に向けて何年もの間尽力してきました。

サルワさんとシハムさんが参加したのは、JICAがSUN加盟国を対象に2015年11-12月に開催した「母子栄養改善」課題別研修です。この研修が始まる前スーダンはSUN加盟国ではなかったため、スーダンには参加資格がありませんでした。しかし、スーダン国内には「SUN加盟に向けて日本や他のSUN加盟国から母子栄養改善の取組みを学びたい」という強い要望があったため、連邦保健省でプライマリーヘルスケア政策アドバイザーとして働いている清水専門家が尽力し、特別に彼女たちはオブザーバーとして招聘されました。

「スーダン政府のSUN加盟に対する強い意向や高いコミットメントを知り、研修を通じSUNへの加盟を後押ししたいと考えていました。研修中サルワさんたちは、他の7か国からの参加者や日本の関係者にスーダンの栄養不良や食料問題の事情を伝え、また他国の教訓や良例を真剣に学びました。」研修講師を務めたJICAの萩原国際協力専門員は、二人をこう評価します。サルワさんは「日本の戦後の母子保健や栄養改善の取組みの歴史、食育の講義と視察、問題分析やモニタリングの演習は有意義でした。SUN加盟国からはマルチセクター連携や市民社会との協力の好事例を学びました。スーダンの栄養改善に活かしたいです。」と抱負を語りました。シハムさんも帰国後の活動に意欲的です。

スーダンにおける急性および慢性栄養不良の改善は近年停滞しており、5歳未満児の低体重の割合は33%となっています。2015年5月、スーダン政府は副大統領が議長を務める食料安全保障と栄養に関するハイレベル委員会を立ち上げました。また、政府は国家栄養戦略書を策定し、食料安全保障と栄養の政策案が最終化されています。今回のSUN運動への正式加盟を経て、スーダン政府はこれまでになく栄養問題の改善に向けた動きを加速しています。JICAは引き続きスーダン政府による母子保健、母子栄養改善の取組みを支援しています。

(注)Scaling Up Nutrition(SUN)運動は、様々な開発パートナー機関の支援を受けつつ、政府の栄養改善介入規模を拡大し、国家目標を達成するための国際的枠組みとして、2010年に設立されました。

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サルワさん(左)、萩原専門員(中央)、シハムさん(右)

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スーダン参加者の二人は、日本の文化にも触れる機会を得て、短い滞在を楽しみました。

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スーダンのSUN正式加盟を日本で知ったお二人。他の参加国と共に喜びました。

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スーダンの栄養、食糧問題を報告するサルワさん、シハムさん。