キッズテニスインモロッコ

伊達公子さんモロッコでキッズテニス開催

在モロッコ日本大使館にて。モロッコテニス協会会長が伊達さんを熱烈歓迎

アフリカ大陸の北西部に位置し、地中海と大西洋に接する国・モロッコ。映画「カサブランカ」の舞台であることや、世界遺産に登録されたフェズやマラケシュの旧市街（メディナ）など、観光地としても人気の高いこの国に、JICAオフィシャルサポーターの伊達公子さんがやってきました。海あり、山あり、砂漠あり、もちろんテニスあり！と話題満載の6日間。その様子をご紹介します。

海外のJICAの活動を視察するのはベトナム、バングラデシュ、マラウイ、ジャマイカ、ホンジュラスに続き6カ国目。真夏のモロッコは伊達さんの目にどう映ったのでしょうか？

JICAの活動訪問

首都ラバトから車で海沿いを走ること3時間。ムーレイブッセルハムという小さな漁村に到着。ここで零細漁民を対象に行われているJICAプロジェクトを視察しました。漁船の改良・維持管理の仕方や魚介類の採り方、稚魚・稚貝の残し方など資源の保全の指導するなど、地元の漁民達がより効率的に漁業を行い収入に結びつけるというものです。

この漁村がある地域を中心に活動する青年海外協力隊・塚越貴子隊員（村落開発）を訪れました。学校に通っていない近所の女性を対象とした識字教室では、塚越隊員が現地で覚えたアラビア語の読み書きを指導します。とは言え、生徒にとってアラビア語は母国語。聞く・話すなどの会話は、塚越隊員が生徒たちに教わります。識字教室はお互いにとってアラビア語の習得・向上に繋がっているようです。

実際の漁に使われる小型漁船に試乗

識字教室の様子

アラビア語の書き取りノート

保健センターの医師他スタッフ。伊達さんはこの後、医師の診察を受けることに。

漁村から一転、一路南下した伊達さんは高地の町・アユンスーナに到着。ここでは、病院から離れた地方に住んでいる妊産婦ケアを目的とした保健センターを訪ねました。実は伊達さん（および同行した他の日本人スタッフ）、長旅の疲れからか体調が優れず、この保健センターで診察・処方箋を受けるハプニングが！現役時代はもちろん、引退後も滅多と風邪をひくことはなかったという伊達さんをも参らせた、真夏のモロッコ、恐るべし？？

乾ききった大地をひたすら南へ突っ走り、砂漠の入り口といわれる町・エルフードへ。車から降り立った瞬間、大きなエアコンの室外機の前に立っているのでは？と錯覚するような温風（熱風）の歓迎を受けました。ホテルのエアコンも効かず、室温はなんと30℃！そんな気候にも負けず、朝4時起きして朝日を拝みに砂漠の山を登りました。あいにくの曇り空で日の出こそ見られませんでしたが、山頂からの見下ろす砂漠はまさに圧巻でした。

見事登頂した伊達さん。お疲れ様です！

砂漠野山からから見下ろす景色は最高！

砂漠といえば、やっぱりラクダ！

この近辺の乾燥地域を対象に行われているプロジェクトの視察を行いました。砂漠に住む人々にとって水は正に命綱。その水を1滴でも効率的に使えるよう伝統的な灌漑施設を改修し、より質の高い農作物の収穫に結び付けようという内容です。この灌漑施設を使った畑で採れた作物の収穫量は実に4倍近くに上がり、味も良いと大好評。伊達さんが頂いたスイカも採ってもみずみずしくて美味しかったです！

貴重な水をロバで運ぶ子供達。後ろの建物が給水施設。

モロッコはイスラム教国。地元の女性から伊達さんに黒いベールのプレゼントが。

ここで栽培したスイカとメロン。

キッズテニス

ストローク、うまくいったよ！

ボールが旨くネットを越えると、子供は大喜び

今回のモロッコ滞在中、伊達さんはムーレイブッセルハムとミデルトの2つの町でキッズテニスを開催しました。かいた汗もすぐに蒸発して乾いてしまうような厳しい日差しの下、各地で40名、計80名の子供たちがテニスを体験しました。

訪れた町の子供たちにとってテニスは初めて体験するスポーツ。最初こそ戸惑い気味だったものの、「みんな感がいいね！初めてなのに要領得るのが早いよ！GOOD！！」と伊達さんからもお褒めの言葉を頂き、みんな終始笑顔でボールを追いかけていました。今回は孤児院から参加した子供たちも多く、貴重な経験となったようです。

キッズテニスが終ってその町を去る時、「ショクラン（ありがとう）、キミコ！」と伊達さんを取り囲んで両頬にお礼のキスをする子供たちの姿がとても印象的でした。

今回のキッズテニスでは、昨年同様、東レパンパシフィックテニスで寄贈頂いた中古ラケットと、今回のキッズテニスで使用した用具を現地の人々に引き渡しました。これからも、今回頂いた道具を使い、テニスを通じて子供たちの明るい笑顔が耐えないことでしょう。