JICA帰国研修員の活動を「ミニ・グラント」プロジェクトにより支援しています

2019年1月9日

JICAタジキスタン事務所は、JICAの研修プログラム(Knowledge Co-Creation Training Program=KCCP)にタジキスタンから参加した帰国研修員が、日本の知見をタジキスタンの社会経済発展のために活用できるように、2018年から「ミニ・グラント」プロジェクト(注)を通して、支援を開始しました。

初年度の今年は、「ミニ・グラント」プロジェクトの募集に対し、40件以上の応募がありました。その中から6案件が選ばれ、各案件が7月から始動しています。

民間企業の発展を目指して

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ヴァリゾダ・ピルムショ氏(演台に立ってスピーチを行っている人物)

現在タジキスタン投資・国家財政管理委員会に勤務するヴァリゾダ・ピルムショ氏は、2014年に課題別研修「中小企業振興のための金融及び技術支援」コースに参加しました。同氏は、「ミニ・グラント」プロジェクトの支援を受け、研修で得られた起業家支援のための知識と経験を広めるべく、各地を飛び回っています。ピルムショ氏はこれまでにハトロン州とゾグド州で起業家支援セミナーを4回開催し、400名以上の参加者に日本の知見を語っています。

2010年からタジキスタン共和国政府は、国内民間企業の発展を目指し、企業の登録・許認可制度に関する法律の改正を進め、起業支援に関する様々な改革を行っています。しかし、ビジネスプランの作成に欠かせない経営・財務・法に関する情報が起業家の間で十分に行き渡っていないために、彼らはビジネスプランを用いて起業資金を得るのに困っています。

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同氏による起業セミナーの様子

この問題の解決に向け、ピルムショ氏は、投資・国家財政管理委員会職員及びJICA研修プログラムの元参加者らと共に、起業に関するセミナーを開催しました。このセミナーでは、起業のための許認可制度、税制度、ビジネスプラン作成のコツなど、起業家支援において必要な情報が提供されました。また同氏は、セミナーの講義において、新規事業の立ち上げに必要な法制度を十分に理解することが起業家にとって重要であるということを強調しました。併せてセミナー出席者からは、質疑・議論も活発に行われました。

経営に関する情報を得た出席者は、講師陣に盛大な拍手を送り謝意を表し、セミナーは成功裏に閉幕しました。

医療体制の改善を目指して

また、課題別研修「医療機材・施設マネジメント」コース(2014年)に参加した産科医のグラマドヴァ・サロマット女史は、その経験を伝えるべく、「ミニ・グラント」プロジェクトの支援を受け、ドゥシャンベ市イスティクラル病院の産婦人科医、新生児科医、助産師、看護師を対象にした研修を行いました。

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サロマット女史

サロマット女史によるこの研修は、安全な分娩に関する知識と技術の向上と、医療機器の適切な管理の実現を目的としています。同女史は、妊婦の出産時の異常出血、高血圧症候群、新生児蘇生法に関して、ベテランである同病院の医師を招き、若手スタッフへの研修を行いました。また医療機器管理について日本で研修を受けた同女史は、この研修において、医療機器の安全かつ適切な操作方法、機材の管理簿を記録することの大切さについて講義を行いました。

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同氏による医療機器管理研修の様子

タジキスタンでは、妊産婦死亡率及び新生児死亡率は年々減っていますが、それでも世界水準に比べ依然として高い状態にあるため、同国政府は、母子の健康管理の向上に力を入れています。さらに、保健省は母子の健康管理だけでなく、医療機器管理能力の向上についても重視するようになってきています。最新の医療機器を導入しているイスティクラル病院にとっては、その適切な維持管理が特に重要となっています。

(注)「ミニ・グラント」プロジェクトとは、研修プログラムの帰国研修員が、研修に参加して得られた知見をタジキスタン国内に還元するための活動を、JICAが支援しているものです。各帰国研修員の提案から選考を行い、優れた活動に対して最大で40万円程度を供与して支援を行います。

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ドシャンベ市イスティクラル病院

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同病院内での研修の様子