事件現場検証に関するセミナーの開催をJICAタジキスタン事務所が支援

2019年10月23日

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開会式の様子。右端が田邉JICAタジキスタン事務所長

2019年5月28日、タジキスタン内務省はJICAタジキスタン事務所の支援を得て、国内実務者を対象とする「事件現場検証」における科学技術の使用に関するセミナー会合を開催した。

セミナー会合には、内務省次官、内務省鑑識局長、内務省警察学校長官、科学者、判事、検察官、捜査官、捜査課長、研究者などタジキスタン国内の法執行政府機関の犯罪科学の専門家が出席した。同セミナー会合は、各法執行政府機関の協力関係を強化し、鑑識及び犯罪捜査に従事する専門人材の能力向上を目指す上での課題を共有することを目的に開催された。

同会合の冒頭、イクロム・ウマルゾーダ内務省次官がスピーチを行い、政府の主要な業務の一つは人権と自由を守るために必要な法執行業務を行うことにあると強調した。

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セミナー会合の様子

田邉秀樹JICAタジキスタン事務所長は、いずれの国家や社会の発展も人材育成無しには達成しえないことを指摘し、今回の会合により法執行機関関係者の知識と技術が向上することに期待していると発言した。

内務省及び他の法執行政府機関から出席した専門官らは、鑑識及び捜査に携わる人員にとっての事件現場検証の重要性、及び現場検証の際の鑑識活動の法的な枠組みに関するプレゼンテーションをおこなった。

セミナー会合では、犯罪捜査の際に事件現場検証により事実を明らかにするためには、事件発生直後の現場検証、犯罪発生前後の流れの追跡と把握、及び科学的鑑識方法を使用することが重要であると強調された。

プレゼンテーションでは、グローバリズムによる社会生活の急激な変化が進行しており人類は新しい脅威に直面しているため、既存概念に囚われずに新しい考え方やアプローチを取り入れていくことの重要性が述べられた。このようなことから、犯罪捜査手続法などの関連法規に従って、法執行機関が事件現場で完全に漏れなく、科学的に現場検証をすることの重要性が参加者の間に共有された。

本セミナー会合は、以下の提言を採択し閉会となった。

  • 事件現場検証に関する法執行機関人員の知識とスキルを向上させる活動を準備し実施すること。
  • 各法執行政府機関のお互いの協力関係を強化すること。
  • 事件現場検証の際には、できる限り最新の科学的なやり方を使うこと。

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セミナーの看板