LBTセミナー開催(2009年3月11日〜12日)

【写真】

握手を交わす升本JICA所長とムサ・イヨンベ道路局長。セミナー参加者と。

JICAのLBT(Labour Based Technology)研修能力強化プロジェクトとILO(国際労働機関)が、タンザニアのインフラ開発省と協力し、2日間のセミナーを開催しました。

このセミナーでは、インフラ開発省を初め財務省や労働雇用青年開発省などの政府機関やタンザニア道路公社、研究所、その他ドナー関係者、さらに日本からの研究者や専門家が参加し、地方での生活道路の建設に適するLBT工法(LabourBased Technology)に関して議論がなされました。

LBT工法は、農耕用のトラクターなど小規模の機械やくわ、すきなどの農具を用いた人力施工によって道路建設を行うもので、建設費の多くは地元の労働者に行き渡っていきます。さらにそのお金が労働者の日々の消費に使われることで、地域経済の活性化に寄与し、雇用の促進を図ることも意図しています。またLBTは、地元で入手可能な材料を用いて建設することを基本としているため、資材購入の資金が地元に渡るだけでなく、補修や修理が容易にでき、自分たちの手で道路を良い状態に維持することもできます。

【写真】

LBT工法で使用する道具の説明をするATTI関係者

セミナーでは、LBTプロジェクトの受入機関であるATTI(Appropriate Technology Training Institutes)の校長先生や国立ダルエスサラーム大学の教授、日本やケニア、ウガンダから参加したJICA専門家などからLBTに関する発表がなされました。

LBTプロジェクトには、JICAの専門家数名と、視聴覚教育(短期)と村落開発普及員の青年海外協力隊員2名が配属されています。

セミナーの中では、視聴覚教育隊員が中心になって作成した、LBT工法を使った道路建設をアピールするビデオが流されました。

また今回のセミナーでは、新しい工法を紹介することも目的でした。JICAがケニアで支援している小規模園芸農民組織強化計画(SHEP)によって現在普及されている土嚢を使った道路建設が、ビデオや専門家の発表によって紹介されました。初日夕方には、ダルエスサラーム市内で、実際に土嚢を使って道路を整備するデモ工事を視察しました。

【写真】

土嚢を使った道路改修のデモンストレーション

土嚢に使用される袋は、穀物などの運搬に一般的に使われているもので、また工具も木でできた簡単なものです。雨期になるとすぐに穴ぼこになる道がきれいに整備されるのを見て、多くの関係者が関心を寄せていました。

LBT工法を支持し、普及支援をしているILOの代表者は「機械がなく、労働力はあまっているタンザニアの地方の状況にぴったりの工法である」と言います。自分たちで作ることから、自分たちで良くしていく気持ちも生まれます。そうした自主的な作業から、本当の発展は築かれていくことが期待できます。