【ボランティア通信】アフリカで急ぐな

2015年1月5日

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名前:山本敬典
派遣期間:2013年1月〜2015年1月
職種:理数科教師
配属先:マサシデイ中等学校
任地:ムトワラ州マサシ県
出身:三重県

タンザニアでの教師生活は日本では想像もできないことの連続でした。

「NO HURRY IN AFRICA」と怒られる

私は日本でいう中学2年生0高校2年生までの数学の授業を多いときで週40コマ(約27時間)、平均すると約20コマ(約13時間)を担当していました。タンザニアの時間割には授業の間に休み時間がないので、連続して授業がある時は、いつも各学年の授業ノートを持って教室から教室へ走り回っていました。

するとある日、同僚の女性簿記教師が「Mr.Yama! No hurry in Africa!(アフリカで急ぐな!)」と遠くから本気で怒りながら叫んできました。「ここはアフリカだ、走るほど急ぐ必要はないし、授業が多くて疲れるから少しは休め」と説教されました。本気で怒りながら、本気で気遣ってくれているのが伝わりました。

日本だったら自分に課せられた仕事を一生懸命こなすのは当たり前、でもいつもそれが世界中どこでも当たり前ではないと教えられました。その後もたまに見つかっては「No hurry in Africa!」と何十回と言われました。彼女からは頑張りすぎるのではなく、「いい具合に力を抜いてやっていけ」ということを学びました。

マンゴー、毎時6個?

タンザニアでは暑くなってくる11月ごろからマンゴーの木にたくさんの実がつき始めます。風が吹いたらよく落ちてくるので、拾って食べます。この無料マンゴーは授業でもたまに使いました。こちらではテストなどで高い点を取った子に「Zawadi!(景品ちょうだい!)」とよく言われます。しかし私は生徒に内発的な何かを感じて勉強を頑張って欲しかったのでめったに景品は使いませんでした。

しかしこの季節、マンゴーならいいか!と思い、授業の合間などにマンゴーの木の下で実を拾いました。そして「Mashindano ya embe(マンゴー対決?)」と称して、マンゴーをかけた小テストなどを行いました。見事マンゴーを勝ち取った子はその場でかぶりつき、じゅるじゅると音をたてながら完熟した実を頬張りました。

生徒と共にたくさん笑えたいい時間でした。

ある日の夕方、この木の下で本を読みながら実が落ちてくるのを待っていたら1時間で6個拾うことができました。拭いて、剥いて、食べて、手を洗って次のマンゴーを待ちます。急ぐことなく、自然と向き合うのもいいなと感じました。

もうすぐで日本に帰国します。日本社会にいると何かしらの"速さ"を感じるときもあるかと思います。そんなときは、同僚の言葉「No hurry in Africa」を思い出して、時には木の下に座って何も考えない時間を作りたいです。

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学校のすぐそばにあるマンゴーの大木、実を待つ子ども。

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穫れる、穫れる、とにかく、穫れる!

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道路拡張のため切り倒されたマンゴーの木、少し寂しく複雑な気持ちになる。