【ボランティア通信】「考える」という力

2015年3月23日

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名前:山口 悟司
派遣期間:2013年3月〜2015年3月
職種:自動車整備
配属先:国立運輸高等専門学校
任地:ダルエスサラーム市
出身:兵庫県神戸市

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自分たちで考えさせる

タンザニア国内を走る車の90%以上が日本の中古車だと言われています。そして、そのほとんどが昔の機械式の車とは違い、電子部品が多用され、コンピューターにより制御されたものです。よって、現地で修理にあたるにはそれらに対する知識が必要不可欠なものとなっています。
そんな現状において、私はタンザニア国立運輸高等専門学校の自動車工学科で自動車電装や電子制御の技術指導にあたってきました。しかし、こういった技術は一朝一夕で身に着くものではないですし、1つ教えたとしても、すべての車に使えるわけではありません。そこで私は「考える」ということを教えることで応用力を養い、自分たち自身で学べる力を身に着けさせようと考えました。

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解らなければ教えるのではなく、ヒントを与える

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実践で技術を身に着ける

最初は大変でした。タンザニアの人々の多くは自分たちで考えて課題をクリアするということが苦手だと感じています。私の生徒たちも例外ではなく、教材を与え自分たち自身の力で作業をさせるという私のやり方に戸惑い、何をすればいいのかも解らず、ただ突っ立って教材を見ているだけという状態でした。それでも、最低限のヒントを与え、なるべく自分たちだけで課題をクリアできるように、授業も工夫するようにしました。
そんなことを続けていく中、ちょっとずつ変化が見られるようになりました。それまでは私のところへ質問に来る生徒がいても、何が解らないのかも解らず「全部を教えてくれ」というような状態でした。しかし一部の生徒が「ここのこれが解らない」というように具体的な疑問を示すようになってきたのです。授業においてもそういった生徒たちが率先して理解できていない生徒へ教えるようにもなり、授業の進行速度がグッと上がりました。またある時、卒業生から電話があり、「車がこんな状態で、ここがこんな不具合を持っていると思うのだが、どう思う?」と相談してきました。今までなら答えを直接求めるような聞き方しか出来ませんでしたが、自分の考えを先に言ってくれるようになったのです。このような変化はとても小さなものかもしれません。しかし、次につながる大きな一歩だと考えています。

私は2年間の任期を終え帰国します。今後も私が携わった人々が「考える」ことにより、自分たち自身の力で技術や知識を身に着け、タンザニアの発展に貢献できることを願っています。