【ボランティア通信】少しのきっかけで誰もが変わることができる

2015年10月28日

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名前:白倉真理子
派遣期間:2014年1月〜2016年6月
職種:看護師
配属先:ブガンドメディカルセンター
任地:ムワンザ州ムワンザ市
出身:東京都江東区

「タンザニアの精神科病棟」ときいて立ち入ってよいのか正直迷った。私自身、精神科で働いた経験がないので日本の精神科病棟ですらイメージが浮かばない。

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初めて訪れたときの器材室の様子

私は看護師として病院スタッフが働きやすいように職場環境を整え、医療の質を上げる活動に取り組んでいる。病棟をはじめ、救急外来、ICU(集中治療室)など多くの部署をサポートしている。5Sという品質管理の手法を用いて日々活動をしているのだが、配属先の精神科病棟は当時まだ導入されておらず、今回5Sを実施する運びとなった。
この街ではとても珍しい日本人である私が病棟に出入りすることで、精神科の患者さんを刺激し病状が悪くなってしまう可能性はないだろか。様々な不安と言い訳が頭の中をめぐった。確かに精神科病棟は特殊な環境ではあるが、5Sをする必要がないわけがない。やるだけやってみよう、えいやっと思い切って扉をたたく。

「カリブ!!(ようこそ)」と病棟の師長さんは優しく、緊張気味の私を迎えてくれた。
少し薄暗い廊下を通り、器材室に案内してもらう。そこは物が散乱しており、今まで見たことのない有り様でどこから手をつけていいものかわからず、見なかったことにしようかとも思った。「スペースも置き場所もないから片づける事ができないのよ」そこには何もかも諦めきってしまっている師長さんがいた。その言葉をきいて私はなによりも師長さんのその意識を変えたいと思った。「でも私たちならできるよ!!私も手伝います」それが始まりだった。

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職場環境の改善に向けて奮闘する師長さん

埃まみれの器材室で師長さんと二人、要るものと要らないものを分け整頓を始める。整理するために必要な物品は薬剤部でゴミとして扱われている段ボール箱を使い、また使われていない部屋の棚を運び出して使うなど、既存の資源は探せばあるという事実を師長さんと共有した。その日だけでは全て片付かなかったが、別の日に訪問すると師長自ら他のスタッフと一緒に5Sを行っており、そのやる気に心を打たれた。5Sのすすめ方を理解したことにより、師長さんのやる気が促進されたということもあるだろうが、訪問者が少ない特殊な環境の中で、外部の私が立ち入り、定期的な訪問を行っている事が5Sの継続につながっていると感じる。少しずつではあるが現在も意欲的に5Sに取り組んでおり、なにより「やってみよう」という挑戦する姿勢に変わったことがとても嬉しかった。

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改善に向けて意欲的に取り組む

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少しずつ環境改善がみられています

なにかちょっとしたきっかけで、どんな環境下でも人は変わることができる。ボランティア活動を通してそんなきっかけを現地の人たちに与え続け、タンザニアの発展に少しでも貢献していきたいと思う。