【ボランティア通信】土のう技術ワークショップ−未来の道普請人へ−

2016年3月25日

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名前:金兒 直哉
派遣期間:2014年3月〜2016年3月
職種:行政サービス
配属先:ムフィンディ県庁建設課
任地:イリンガ州マフィンガ市
出身:長野県

日本では、どんな片田舎の村にでも綺麗に舗装された道が続いています。しかしタンザニアの道路状況は幹線道路を除く地方道路の99%が未舗装状態であり、様々な弊害を引き起こしています。一例として、農家がせっかく生産した作物を市場に運べず、また仲買人が買い付けに来ることを拒むなどして換金機会に繋がらず、貧困状態から抜けだせないといった現実があるのです。

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ぬかるんだ道路。この先に村や集落、学校等が広がる。

この現実を改善したい。
私は県庁の建設課に配属され業務改善を主な活動として取り組んできましたが、道路の改善は一つの大きな課題でした。
昨年3月、JICA専門家の協力で日本のNPOが開催したタンザニアでの土のう技術研修に、建設課の同僚の道路エンジニアと共に参加したことがあり、ここで学んだ道路修繕方法が私の住む地域でも活用できるのではとアイディアが浮かびました。
この技術をより広範囲に広め、継続性を持たせるためには何をすれば良いのだろうか。打開策に頭を悩ませている中、当県には地域開発員を養成する専門学校があり、同校にはJICAボランティアが配属されていることを思い出しました。この学校で土のう技術ワークショップを開催しノウハウを伝えることで、卒業後に地域開発員としてタンザニア各地で道路修繕の実例を挙げ道路状況改善に寄与してくれるのではと考えました。また道路建設専門教科の教員を巻き込むことにより、今後、授業プログラムに盛り込むことが期待でき、より一層技術の拡大が見込まれると考え準備を進めてきました。
そして2月22日、ついに実施へと至りました。

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土嚢技術のプレゼンテーション〜実施風景

当日はルンゲンバ地域開発訓練校の学生や教員、系列校の教員や周辺の村人などを含め、およそ400人もの大所帯となりました。初めに講義を行い、タンザニアや途上国における道路状況、土のう技術の有用性、日本における土のうの活用事例などの説明を行い、真剣な眼差しでノートを取る参加者の様子にプレゼンターとしての私も身の引き締まる思いでした。
その後学校近くの現場に向かい、昨年の研修に参加した同僚たちの指導の元、池のように大きな水たまりから雨水・汚泥を除去する作業から取り掛かり、側溝の掘り起こし、土のう敷設など、グループに分かれて各々の作業を進めました。炎天下の過酷な環境下にも関わらず、飴玉のように大きな汗と笑顔を輝かせながら一生懸命に取り組む様子に自然と涙が溢れてきました。

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道路状況 実施前・実施後

ワークショップは3日間の工程で無事終了し、校長から「私たちの為に企画してくれてこのプロジェクトを実施できたことに本当に感謝します。実施中には様々な課題にもうち当たったが、最終的にはプロジェクトをいい形で達成することができました。あなたの努力、またJICA、日本にも感謝の意を表します」といった温かい言葉をいただいた。言語も文化も違う彼らと、同じ目標に向かい、一緒に汗をかき笑い喜びを共有できたことは一生の財産となるだろう。