【ボランティア通信】継続は力なり

2016年3月25日

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名前:川島允紀
派遣期間:2014年3月〜2016年3月
職種:コミュニティ開発
配属先:ムナジ湾-ルヴマ河口海洋公園
任地:ムトワラ州ルヴラ
出身:大阪府

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作業場にいるムクワンバさん

タンザニアの南東部、ムトワラの街から1時間ほど行ったところにある小さな村、ムンゴジ村。その村の幹線道路から少し離れたところにある工房で汗を流しながら、懸命に貝を磨き上げている。私が工房に顔を出すと、研磨した時に出る粉で顔や腕を汚しながら、愛嬌のある笑顔で挨拶をしてくれる。

ムクワンバさん、今年で41歳。自分で養殖した貝や、天然の貝を利用してアクセサリー作りをしている。

彼が海洋公園の支援を受け、真珠貝の養殖を始めたのは8年ほど前。同時期に支援を受けた仲間たちはみんなそれぞれの理由で辞めていってしまい、今では彼1人しか養殖を続けていない。

ある日、いつものように工房を訪れると、いつもと雰囲気が違う。これまでは材料の貝が乱雑に置かれ、工具も整理されていなかったが、棚を作り、商品を陳列し、工具は収納できるようになっていた。「どないしたん?」と聞くと、「きれいな方がええやん。」と言われた。まさか自発的に5Sができる人がこんな田舎にいるとは!その日は当初の予定を忘れて、ひたすらその成果をほめるだけで終わってしまった。

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貝の養殖場-水深12m

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真剣な目で貝の練磨作業中

振り返ってみれば彼が今日に至るまで、養殖した貝が盗まれてしまったことや養殖できたとしても貝が売れるマーケットがなかったこと、などの様々な壁に直面してきたが、自分で考えて乗り越え、自分の商売を形にするために真面目に努力を続けてきた。私と出会ってからのこの2年も、貝の養殖やアクセサリー作りの経験なんてない私が、ボランティアとして効果的なサポートを彼に提供できるわけもなく、彼が自分で考えて決めたことを実践し、真面目に働き、地道な努力を継続することで前へ進んできた。今では日本から定期的にオーダーがもらえ、弟子をとるまでになり、村の中では一目を置かれる存在になった。

残念ながらタンザニアは真面目に頑張った人が必ずしも報われる社会ではなく、学歴だけで決まってしまう部分が大きい。学歴がない彼も例外ではなく、以前は漁をしていたがその日暮らしだった。そんな彼がひとつの事業を継続し、周りから認められるようになったのも彼が真面目に努力してきたからだろう。

ある日、「観光客がもっと簡単に来れる場所に工房を移転したいわ。」「いつか海洋公園の中にゲストハウス立てて、この地域を盛り立てたいわ。」とうれしそうな笑顔で語ってくれたことがあった。これからも真面目に努力し続けることで、少しずつ前に進み、この村を、地域を盛り上げて行ってくれると思う。