【ボランティア通信】シリーズ1 タンザニア野球に1ヶ月触れて

2019年8月19日

福岡教育大学2年 浦 敬太
隊員番号:181229

2019年2月から3月の1か月間、福岡教育大学の学生7名が昨年に引き続き、野球の指導および普及活動のために大学連携(注)の短期野球ボランティアとして派遣されました。

シリーズとして、活動されたボランティアから活動内容を順次紹介していきます。

(注)1)途上国の開発への貢献、2)グローバル人材の育成を目的とし、JICAと特定大学が連携をし、ボランティア派遣を行っています。

1.はじめに

今回私は、福岡教育大学とJICAが3年間の大学連携ボランティア派遣事業で取り組んでいる、アフリカのタンザニアという国で、「国民の健康増進」「地域開発」「国民意識の高揚」等を目的として、primaryやsecondaryの生徒や、ナショナルチームを対象に、野球の技術の向上や、野球というスポーツを知るきっかけを作るための指導を行う活動を2019年の2月21日から3月20日までの1ヶ月間行ってきました。私自身、初めての海外がタンザニアということで、自分の英語力で1ヶ月も生活ができるのか、治安が悪いとも聞く地域で無事に1ヶ月過ごせるのか、不安な面ばかりでした。しかし1ヶ月の活動を終えた今考えてみると、英語力も身振り手振りを踏まえて伝えようとすれば、現地の人は理解してくれようとしてくれますし、治安の面も思っていた以上に安全で、充実した1ヶ月だったなと感じます。その1ヶ月間で、コミュニケーション面や、野球の指導面、現地での生活面において様々なことを学び、考えることができました。今回は、そのことについて以下に述べていきたいと思います。

2.活動内容

今回行った活動は上記でも述べたように、現地のprimaryやsecondaryの生徒、つまり日本でいう初等や中等学校の生徒を主な対象として、時にはナショナルチームを対象に野球を教えていくというものでした。派遣隊員は、福岡教育大学から私を含め8名が、活動に参加させて頂きました。タンザニアは野球というスポーツがほとんどが知られていない国で、サッカーが最も盛んな国です。ですので、初めは私たち8名、初めは全く野球を知らない子ども達の思いもしない咄嗟の行動に驚きました。ベースを無視して走り出す子もいれば、全く違うところに投げてしまったり、逆の握りでバットを握ったりと、本当に野球を知らないとそのように考えるのかと、私達自身驚くと同時に、発見することばかりでした。そういった子には日本語も伝わらないので、単語程度しかわからないスワヒリ語や、片言の英語を使って、身振り手振りなどのデモンストレーションを踏まえながら頑張って伝えました。また、ビギナーの子でも分かりやすいよう、できるだけ本物の野球に近い形の簡単なルールを8人で話し合って決め、そのルールに従って試合も行いました。タンザニアの学校は非常に生徒が多く、日本人が来ること自体が珍しいことなので、私達が来るとたくさんの生徒が集まってきます。教えるクラス以外の子が急遽参加してくることも当たり前で、その中での野球の指導は大変でした。しかし、どの学校の子ども達も最後には楽しそうに盛り上がりながら野球に取り組んでくれて、思った以上に本物の野球に近い形で指導ができたことはよかったなと感じました。

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打撃指導を行う様子

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私たちに集まってくる現地の生徒

3.活動を通して学んだこと及び反省点

今回の活動を通して、私たちが野球を教えに行ったのですが、子どもたちから学ぶことばかりで、とても充実した一か月間を過ごすことができました。私たちが事前に考えていたこととは全く違う行動をとったりすることがしばしばあり、その度に8人で話し合ってルールを変更し、また教えてみて改善点を見つけ出し改善していくという毎日でした。また細かい指導を行う際にも、私たちの知っているスワヒリ語や英語だと伝わらないことも多々あり、戸惑うこともありました。しかし、終わって考えてみると伝えようと努力すると子どもたちも理解しようとしてくれて、結果的には少しずつではありますが伝わっていっているということが実感できて、その中にやりがいを見つけることができ、そういった経験を8人で共有することでより内容の濃い経験にしていくことができました。その中で、伝えようとする気持ちが大切であるということと、経験の共有をしてより良いものにしていくことの大切さを学びました。反省点としては、野球にいついて触れる活動にはできたものの、根付いて普及していくか考えてみると、まだまだ道具面などのやるべきことがたくさんあり、やり残したことばかりで、時間の少なさを感じました。また野球に近いルールではできたものの、しっかりとしたルールまでは行きつくことができませんでした。どの学校にどのくらい行けるのか、学校ごとにどのくらいのレベルなのか把握して計画的な活動が必要だったなと感じました。