【ボランティア通信】シリーズ2 プライマリースクールでの活動

2019年9月3日

青年海外協力隊 短期
福岡教育大学 永松 大

2019年2月から3月の1か月間、福岡教育大学の学生7名が昨年に引き続き、野球の指導および普及活動のために大学連携(注)の短期野球ボランティアとして派遣されました。

シリーズとして、活動されたボランティアから活動内容を順次紹介していきます。

(注)1)途上国の開発への貢献、2)グローバル人材の育成を目的とし、JICAと特定大学が連携をし、ボランティア派遣を行っています。

活動概要

今回私たちは、タンザニアのダルエスサラーム市街と同テメケ地区およびウブンゴ地区のプライマリースクール、セカンダリースクールにて活動を行いました。その中でも特にプライマリースクールで行った活動についてお伝えしたいと思います。

プライマリースクールには短期ボランティア隊員8名とシニアボランティア1名、現地の補助員2名の体制で訪れました。

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ほとんどのプライマリースクールはサラサラでフカフカな砂浜のようなグラウンドでボールはほとんど転がりません。学校のグラウンドにも関わらず一般の人が歩いてたり、二輪車が通っていたりして環境の違いに驚きました。

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プライマリーの子供達はエネルギッシュで僕ら日本人見るなり、「キャーーー!」「ワァーー!!」と、こちらが笑ってしまうほど叫んできました。これを大人にやられるとさすがにキツイ(笑)しかし、小さい子供達が満面の笑みでほとんど見たことのない人種である僕達に身を乗り出して手を振っている姿がとても可愛く、こちらも自然と笑顔で手を振り返しました。そしてジワジワ気づき出す。人多ぉ!!!!!!!。実際に教える人数は少ない時で30人前後、多い時で50人前後くらいでしたが、見にくる子もいたりして更に多くの子供達がいました。

プライマリースクールの子供達とセカンダリースクールの子供達の違いは、まず英語が伝わらないこと(少し通じる子供も存在)、そして野球についての知識量です。言語については補助員や先生の力も借りながら、また自分たちの拙い英語とスワヒリ語とボディをフル活用したコミュニケーションでなんとかなりました。野球の知識についてはほとんどないと言っても過言ではない状態です。昨年に引き続き行っている活動なので一部の子供達は去年の記憶から知っていることもありましたが、ほとんどの子供達は初めてバットをもち、初めてキャッチボールをしている状態でした。

活動内容

キャッチボール
ロングティーバッティング
簡易ゲーム

具体的な内容説明

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キャッチボールに関しては道具の個数に応じて、一対一だけでなく一対五、六といった形式をとりました。この一対一で行えなかった場合のキャッチボールはボランティア隊員対生徒たちとなるようにしました。

ロングティーバッティングは2チームをディフェンスとオフェンスに分け、隊員はピッチャーでトスを上げる者、打撃指導、守備指導、声かけといった役割分担をすることで、打撃練習でありながら守備練習にもなり、またルールも少しずつ覚えていけるよう工夫しました。

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ゲームは昨年主にセカンダリーで行った、ファーストベース、セカンドベース、サードベース、ホームベース到達ごとに1点、2点、3点、4点とする形式のゲームをプライマリーでも行い、遠くへ飛ばし、なるべく先の塁に行くことと守備でボールを止めることの大切さを伝えました。また今年は、ゲーム内の得点競争意欲を重要視しバッターを獲得得点別にファースト側のアウトフィールドに並ばせ最後にカウントしました。また、学校によってルールの理解が進んでいる場合はそのルールを残して、より野球に近づくよう工夫しました。

活動を終えて

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今回の活動における経験はかなり自分にとって有益であると思います。例えばバットを持つ手を離して持ったり手を上下逆にして持ったり、一概にバットを持つよう指示しても多様な間違い方があり、伝え方や教え方にとても苦労しました。一方でバットの構え方で、肩の上に乗せて構えている子はそうじゃない子より打つ確率が高いといったような野球の基本の部分において発見があり、学ぶことも多かったです。このような伝え方の工夫は自分が教師になった時等に役立つ機会が多いと思うので活かしていきたいです。次にコミュニケーションにおいて、子供達は何とかして野球を知ろうと積極的に質問をしてくれました。その姿勢に感動するとともに僕自身ももっと積極的にたくさんのことを伝えようと思ったし、何よりその積極的に動くと言う姿勢の大切さを再確認することができました。このように子供達に野球の知識を与える、そして僕自身も子供達に何か大切なものを教えてもらうといった共助ができとても有意義な活動でした。