【ボランティア通信】シリーズ6 ボランティア活動

2019年10月16日

2019年2月から3月の1か月間、福岡教育大学の学生が野球の指導および普及活動のために大学連携(注)の短期野球ボランティアとして派遣され、シリーズとして、活動されたボランティアから活動内容を順次紹介してきましたが、これが最後となります。

(注)1)途上国の開発への貢献、2)グローバル人材の育成を目的とし、JICAと特定大学が連携をし、ボランティア派遣を行っています。

名前:緒田 浩輔
派遣期間:2018年2月~2018年3月
職種:野球
配属先:タンザニア野球ソフトボール連盟
任地:ダルエスサラーム
出身:長崎県

はじめに

わたしは、去年の参加者に「自分の経験を語るのは簡単だが、実際に行ってみないと分からないことが多い」と話しを聞き、自分もいろいろな経験がしたいと思い応募しました。

活動を通して

タンザニアで野球を教えるという体験は、私の人生の中でとても有意義な時間であった。活動内容は、ダルエスサラーム市内、行政2地区の小学生、野球に興味がある一般青少年への普及活動である。テニスボールや小さいバットなどを使い野球の指導を行った。道具がある学校では、軟式球、軟式用バットを使用した。具体的には、野球の基本動作である「ボールを取る・投げる」の練習であるキャッチボールをどこの小学校でも行い、その中でも、普通のキャッチボールに加え、ゴロを取る、山なりのボールを投げる・取るキャッチボールを行いより試合に近い動作を取り入れた。また、グローブがある学校では、グローブの使い方の説明を行った。その後、2チームに分かれ試合を行った。ビギナー用にルールを考え、ベースボールゲームを実施した。トスしたボールをバッターが打ち、打ったバッターは、ベースを回る。守備側は打球をキャッチし一塁手に送球を行う(ダイレクトキャッチは送球不要)。一塁手が送球をキャッチするまでに、打ったバッターが通過したベースの得点が入るルールである。その際の、バッティング、キャッチング、スローイングなどのアドバイスを行った。野球チームに参加の中等学校生徒には、ゲームや練習を一緒に行い、気づいたことをその都度生徒に伝えた。

タンザニアで野球を普及するために工夫した点

タンザニアで継続的に野球・ソフトボールを普及させていくために私たちは2つことを意識して取り組んだ。1つ目は、野球というスポーツを多く触れ合ってもらうためゲーム形式の活動を多く取り入れたこと。ゲームを行うことで、子どもたちの積極性を養い野球の面白さを体験できると感じたからだ。また、ゲームをすることで、仲間と協力する大切さを学ぶことができることや、バッティングの順番を守ること、礼に始まり礼に終わることなどの野球を通して人間教育にも務めた。私たちの活動後も子供たちが自ら、遊びやスポーツに野球を選ぶような体験ができるように心がけた。2つ目は、活動を行う際、ボランティア学生8人中6人が生徒に指導を行い、他2人が学校の担当の先生に指導を行った。継続的な普及を続けるには、子どもだけではなく先生がルールを理解し、野球から何を学ぶことが出来るのか理解することで、子どもたちの指導がより良くできるのではないかと考えたからである。先生の指導には、ルールを分かりやすく説明するためにパワーポイントでの説明も行った。

活動を通して得たこと

プライマリースクールでは、野球を全く知らない子どもにどのように指導するのか8人で考えたことや、ベースボールゲームのルールをどのようにするのか多くの意見を出し合った。野球の公式のルールは複雑であるため、初心者向けに分かりやすく工夫しなければならないが、あまりにも大きく変えてしまうと野球自体の面白さが半減してしまうのではないかなど意見もあった。1つの課題に対して多くの意見を出し合いより良い結論が出た時、そしてそれを実行し試行錯誤を続ける大切さを感じた。上手く指導が行えた時の達成感は言葉にならないぐらい嬉しいものだった。実際にタンザニアで指導を行ったからこそいろいろな体験ができ、意見や知恵を出すことが出来た。今回得た多くのことを、将来教師になった際に日本の生徒に話し、海外を知るきっかけになればと願っている。

最後に

1か月間ともに活動を一緒に行い、貴重な体験ができた他7名の学生ボランティアにとても感謝している。また、シニア海外ボランティアの方には、活動の連絡から指導方法まで様々なことをサポートして頂き本当にありがとうございました。

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