【ボランティア通信】大阪大学連携短期ボランティア派遣活動紹介 その2

2019年11月11日

2019年8月から9月の1か月間、大阪大学の学生が公衆衛生指導のために大学連携(注)の短期ボランティアとして派遣されました。参加されたボランティアから活動内容を紹介致します。今回は2人目です。

(注)1)途上国の開発への貢献、2)グローバル人材の育成を目的とし、JICAと特定大学が連携をし、ボランティア派遣を行っています。

氏名:大川 和愛
職種:公衆衛生
派遣国:タンザニア

私たちは、この一ヶ月でダルエスサラームにある4つの学校(Olympio Primary School, Diamond Primary School, Mchanganyiko Secondary School, Dar es Salaam Secondary School)と児童養護施設House of Blue Hopeを訪問しました。今回は、その中のOlympio PSとMchanganyiko SSについて紹介します。

活動先紹介

Olympio Primary School

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Olympio PSは、ダルエスサラームでも5番以内に入るエリート小学校です。1クラスはおよそ150人で、生徒の多さに衝撃を受けました。1クラスを1人の先生で担当する学校が多い中、Olympio PSは3人の先生で授業を行い質の高い教育を提供しています。ある先生の授業を見学させていただきましたが、生徒の興味を集めるのがとても上手で、教師一人ひとりの質の高さを感じました。生徒は勉強と遊びのメリハリがちゃんとしている印象を受けました。遊ぶときは元気いっぱい全力で楽しみ、授業中は熱心にノートを取り積極的に発表しています。

私たちは、40分の授業の中で、手洗い指導とエクササイズを行いました。手洗い指導では、まずポスターを使用して手洗いの仕方を説明しました。手のひら、指の間など7つのステップを1つずつ実演します。その後Nさんのギター演奏をBGMに手洗いソングを一緒に歌いました。使用曲は、ビオレあわあわ手洗いのうた(英語版)です。

その後は、教室の外に出て一緒に笛やボールを使用したエクササイズを行いました。明るく元気な子が多いOlympio PSでの活動は、4校の中でも一番の盛り上がりを見せました。

Mchanganyiko Secondary School

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Mchanganyiko SSは、Kariakooという露店が集まったエリアにある中学校です。タンザニアではおもてなし(Karibisha)の文化が盛んですが、食事などを用意していただき温かい歓迎を受けました。先生方と食事を共にすることで、タンザニアの食事や文化、Mchanganyiko SSの様子を聞くことができ、仲を深めることができました。

授業では、パンを使用した実験を行い手洗いの大切さを伝えました。手洗い前・水洗い後・石鹸洗い後のそれぞれの手でパンに触り、一週間ほど様子を見ます。成功すれば、石鹸洗い後以外のパンにはカビが繁殖します。生徒たちは実験結果に興味津々で、授業では自分たちの手が普段どれほど汚いのかが分かったという意見もあがりました。

その後は、小学校と同様に校庭でエクササイズを行いました。大学生の私たちは彼らとそこまで年が離れていないため、兄弟姉妹のような近い距離感で一緒に遊ぶことができました。

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2日目のパン

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10日目のパン

感想

活動序盤は、上手く授業を運営することができず苦戦しましたが、毎晩ミーティングをして綿密なスケジュールを立てることで、授業をスムーズに行うことができるようになりました。事前準備の大切さを感じました。

また、活動先の先生たちの協力を得られたことも、活動の質の向上に大きな影響を与えました。例えば、Olympio PSでは生徒の人数が多く、中庭に移動することや生徒を並ばせることがとても大変でした。しかし、先生たちが生徒に指示を出してくれたため、授業時間を無駄にすることなく目一杯活動できました。また、Mchanganyiko SSでは、実験について私たちが上手く説明できなかったとき、先生がスワヒリ語で訳してくれたため生徒たちの理解を深めることができました。カウンターパートと良い関係を築くことは、活動の成功に大きな影響を及ぼすと身をもって感じました。