タイ国政府「人身取引対策に真剣に取り組むとの決意宣言」

2010年9月24日

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プロジェクト活動をアビシット首相に紹介する織田専門家

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反人身取引の啓発資料を受け取るアビシット首相

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プロジェクト活動の展示ブース。左端から織田専門家、古川専門家、サワニー人身取引対策部長、人身取引被害者ピアサポートグループ代表ニーさん

人身取引は深刻な人権侵害であり、国内外の様々な機関が協力しながら取り組む必要があります。タイ国は人身取引被害者の「送出国」であり、タイ以外の国からタイを経由し第三国への「経由国」であり、同時にメコン地域諸国からの「受入国」でもあります。

タイ国政府は人身取引を重要な課題として認識し、2008年には包括的な「人身取引対策法」を制定、関係省庁が連携しながら取り組んでいます。社会開発人間安全保障省社会開発福祉局は、人身取引対策に関する施策の実施、調整の中心的機関です。

JICAの「タイ国人身取引被害者保護・自立支援促進プロジェクト」は、タイ国政府が採用している、人身取引被害者保護、自立、社会復帰のための「多分野協働チーム(MDT)」の機能強化を目的として、2009年3月に開始しました。「多分野協働チーム(MDT:Multi-Disciplinary Team)」とは、関係する政府機関、NGOなどが連携して人身取引被害者の保護・支援に取り組むアプローチのことです。

2010年9月20日、タイ首相官邸においてアピシット首相の出席のもと「人身取引対策に真剣に取り組むとの決意宣言(Declaration on Confirmationof a Mission on Prevention and Combating of Human Trafficking of Thailand)」が行われました。アピシット首相は、重要な課題である人身取引に政府を挙げて取り組む意思を、内外の関係者に強く宣言しました。このイベントには政府関係者、国際機関、市民団体などから約300名が参加しました。

首相によるタイ政府の人身取引政策や取り組みの紹介と、今後も推進するとの力強い表明の後、政府の主だった機関の長や国際機関の関係者が舞台に招かれました。JICAの「タイ国人身取引被害者保護・自立支援促進プロジェクト」からも専門家が他の参加者とともに壇上に立ち、タイ国政府と一緒にこの問題に取り組んでいることを示しました。

また、人身取引対策に対する活動を紹介するために合計8つの機関のブースが展示され、JICAのプロジェクトも出展しました。展示ブースにはアピシット首相が来られ、JICA専門家からプロジェクトの説明を熱心に聞かれました。JICAプロジェクトの活動とプロジェクトが取り組んでいるMDTについて説明したロールアップを展示していましたが、首相は、プロジェクトがメコン地域の人身取引対策関係者を招いて実施したワークショップの写真などを興味深そうに見ていらっしゃいました。

このタイ国政府の力強い決意宣言を受け、JICAとプロジェクトチームも、この国際的課題にともに取り組んで行こうとの決意を新たにしました。