東北タイの農村発 自然とからだに優しい商品が“タイフェスティバル2012”に

2012年5月8日

国際協力機構(JICA)による東北タイ農村への支援を通じて生産されたハーブボールや無農薬栽培の古代米が、有限会社ヤマトにより、タイフェスティバル2012代々木(5月12・13日(土・日)、タイ王国大使館主催、ブース番号:S-35)で販売されます。

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東北タイの農村で作られたハーブボール(マッサージ・入浴剤)。

タイの東北地方には、貧しく小規模な農家が未だ数多くあります。JICAは、農民の生計向上と生活の安定を目指し、「農地改革地区総合農業開発事業」を実施してきました(注1)

小規模農家が、生計向上に向けて農産加工品を生産し国内外の広い市場に販売するためには、設備投資に必要な資金、品質向上の技術やマーケティングのノウハウなどが必要です。JICAの事業ではまず、自然とからだに優しい、無農薬栽培による安全な野菜や米の栽培の技術指導を実施。そして事業地で栽培した農産物を加工するために、加工設備の整備や品質向上の技術支援を実施してきました。

今回初めて、事業による支援を通じて生産された農産加工品が、タイフェスティバル2012に出展する有限会社ヤマトの協力により、タイ国外で販売されます。

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農地に「ため池」を整備。雨季に溜めた水で乾季も野菜栽培が可能に。

「人生がかわったよ。昔は、出稼ぎと借金漬けの生活で、その日の食費を隣人に借金することもあったのが、今ではお金の心配もなく、食べものは自給できるからね」。

JICAの事業が本格的に始まった10年ほど前まで、事業地の農家はキャッサバやサトウキビなどの商品作物だけを長年作ってきました。商品作物で得た収入は、農薬・化学肥料の購入の借金返済に充てられ、手元にはわずかな現金しか残りません。

事業では、農業に必要な水を確保する「ため池」を農地に整備し、米、野菜や果実の栽培を推進。無農薬栽培による安全な野菜栽培の技術支援を行ったほか、地域の自然資源の活用や、野菜や果実を売買できる産直市場の立ち上げなどの支援を実施しました。

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レモングラスの加工場の様子。

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ホテルのシェフが、野菜を出荷する農家を訪問。

また、地元で採れる薬草や農産物を加工する、加工場の建設を支援。東北タイのコンケン県の加工場ではハーブボールやレモングラス・ティーを、マハサラカム県の精米所では無農薬栽培の古代米を、そのほか地元の消費者向けに自然調味料や有機肥料を生産し、地元の産直市場で販売してきました。

「まさか、ホテルのレストランに野菜を出荷できるとは思っていなかった。シェフが村に野菜を見に来たよ」。

農家の挑戦は続きます。

現在、農家の活動をより持続的なものにしていくため、販売先を地元のマーケットからより広い市場へと拡大することを目指しています。農産加工品については、パッケージを改良し、品質向上を進めながら売れる商品を生産するための取り組みを実施。また、無農薬栽培の野菜をグループで栽培し、安全な野菜を共同出荷する努力と工夫を続けています。これまでに、無農薬栽培の野菜は地元の高級ホテルのレストランや病院に共同出荷されるようになり、無農薬栽培の古代米はバンコクで販売されるようになりました。

タイフェスティバル2012での農産加工品の販売は、こうした販路拡大の一例となります。

注1:タイ農地改革地区総合農業開発事業
1996〜1998年度 開発計画調査を実施。
1998〜2010年度 有償資金協力事業を実施。
2011年度〜 専門家派遣を実施中。
タイ実施機関:農業協同組合省 農地改革局