チャオプラヤ川流域の洪水被害軽減を目指して

−排水ポンプ車引渡し式の開催−

2014年7月10日

2014年6月27日、農業協同組合省王室灌漑局アユタヤ事務所にて、無償資金協力「タイ王国パサック川東部アユタヤ地区洪水対策計画」において供与される排水ポンプ車10台の引き渡し式が、日本側から岩間公典在タイ国日本公使、池田修一JICAタイ事務所所長、タイ側から、ローウィロート・コワッタナ王室灌漑局局長、ナッティ・ボースワン・アユタヤ県副知事が出席し開催されました。
今回の引き渡しによって農業協同組合省王室灌漑局アユタヤ事務所に配備される排水ポンプ車は、アユタヤ地区の水管理や、同地区および近県での洪水対策に大きな力を発揮することが期待されています。

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2011年洪水時の緊急援助で排水ポンプ車が活躍

タイ国では2011年、7月から断続的に続いた100年に一度とも言われる記録的な降雨により、被災地が全国67県に広がる大規模な洪水が発生し、大きな被害を受けました。チャオプラヤ川流域では、25県、約120万世帯が被災、農地被害面積は約17,000平方キロメートルにも及び、この洪水によりバンコク都や、工業集積地を持つアユタヤ県の他、ノンタブリ県やパトゥンタニ県等の都市部においても広範囲の浸水被害が発生しました。

これに対しJICAは、緊急援助の一環として、国際緊急援助隊の専門家チーム(排水ポンプ車隊)と共に、国土交通省中部地方整備局所有で毎分30立方メートルという高い排水能力を持つ排水ポンプ車10台をタイに送り、11月19日よりアユタヤ県内のロジャナ工業団地で排水作業を開始し、ロジャナ、バンカディー、ナワナコンの三つの工業団地とアジア工科大学(AIT)で排水支援を行った後、住宅地、農地などでも排水支援活動を実施し、計32日間に渡る活動で、東京ドーム6.5個分に相当する約810万立方キロメートルを排水し洪水からの復旧に貢献しました。

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2011年の緊急援助時のポンプ隊による排水活動の様子

「パサック川東部アユタヤ地区洪水対策計画」

引き続きJICAは、災害復旧支援の一環として2011年12月から「チャオプラヤ川流域洪水対策プロジェクト」を開始し、同プロジェクトにおいて、緊急性、効果の高いことが確認された「パサック川東部アユタヤ地区洪水対策計画」について、農業協同組合省王室灌漑局は、無償資金協力での実施を2012年2月に日本政府に要請しました。

同洪水対策計画は、平時はパサック川左岸の低地部の雨水排水をパサック川に導く排水路としての機能しているものの、2011年の洪水時にはパサック川の増水により水が逆流し、水路南側に位置する多くの工業集積地を含む地域に大きな浸水被害をもたらす原因となったハントラ水路、クラマン水路に、逆流を阻止する水門を建設する計画と、排水ポンプ車を配備する計画からなっています。水門の工事は、2015年2月に完成予定となっており、今回の排水ポンプ車の配備に続く水門の完成によって、アユタヤ地区及び両水路以南に位置する工業団地への洪水被害が軽減されることが期待されています。

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工事が進むハントラ水門