バイオマス・ガス化装置の試運転開始

2019年3月26日

2019年3月中旬からバイオマスのガス化装置の試運転が開始されました。

バイオマス原料(ゴムの木のペレット、あるいはユーカリの木、コーンの芯、キャッサバの根のチップ)を電気炉でスチームを加えながら蒸し焼きにしてガスを発生させ、その中のタールや水分を除去して冷却、できたバイオ・ガスをシリンダーに貯留します。

ガス成分は一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素、メタンなどです。

今回はゴムの木のペレットをガス化しました。装置の運転はパソコンにより監視、制御されます。一定量のガスを得るまでには数時間の連続運転が必要で夜間に及ぶこともあります。

シリンダーに貯留されたガスを建物内に置かれた熱分解反応装置に送り込み、触媒を使ったフィッシャー・トロプシュ法により、一酸化炭素と水素を化学反応させ、ガソリン、軽油、メタノール、LPGなどの液体やガスの燃料に転換します。この方法により製造される液体燃料は化石燃料と混ぜなくともそのまま動力燃料として使え、硫黄分が少ないため化石燃料に比べて環境汚染を軽減できます。

この技術については、石炭や天然ガスの液体燃料化では商業ベースの生産の実績がありますが、バイオマスからの液体燃料化では欧米先進国や日本で小規模なパイロット実験が行われたことがありますが大規模な商業化は今後の課題です。開発途上国ではほとんど実験例がありません。タイはバイオマス資源が豊富であり(天然ゴムの生産量は世界一、キャッサバは第3位)、バイオマスのガス化とフィッシャー・トロプシュ法によるガスから液体燃料への転換の技術開発と社会実装により、石油や天然ガスの資源に乏しい同国の経済発展に寄与することが期待されます。

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ガス化炉

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タール改質器

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バイオマス原料の投入

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バイオ・ガスの貯留シリンダー

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夜間照明

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ガスクロマトグラフィーによるガス成分の分析

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フィッシャー・トロプシュ法合成反応装置