『バイオマス・廃棄物資源のスーパークリーンバイオ燃料への触媒転換技術の開発』プロジェクト第2回合同調整委員会会議(JCC)が開催されました

2019年9月20日

『バイオマス・廃棄物資源のスーパークリーンバイオ燃料への触媒転換技術の開発』プロジェクトにおいて、第2回合同調整委員会会議(JCC)が9月13日にタイ側カウンターパートであるチュラロンコン大学のバイオマス燃料エネルギーセンターにて開催されました。

この会議の中では、7月中旬から8月初旬にかけて実施した試験において、タイ国において初めてとなるBTL(Biomass to Liquid)技術(バイオマスからガス化により合成ガスを製造し、その合成ガスをフィッシャー・トロプシュ(FT)法によって液体燃料を製造する技術)を用いた軽油製造の実証に成功したことが報告されました。

この試験では、まず、バイオマス・ガス化装置を昼夜連続運転してゴムの古木のペレットを電気炉で蒸し焼きにしてタール(液状灰分)やチャ-(固形灰分)や酸素、水分などの不純物を除去したバイオ合成ガスを製造、その後、フィッシャー・トロプシュ(FT)法高圧合成反応装置に触媒と溶媒を入れバイオ合成ガスを送り込み一酸化炭素と水素を化学反応させ、遠心分離機による不純物分離過程を経て、軽油が出来たことを確認しました。

また、試験に先立ち、チュラロンコン大学とシーナカリンウィロート大学の教員・学生・技術スタッフや国立科学技術研究所及び民間企業の技術者を対象に、ガス化装置とガスクロマトグラフィーの運転、保守管理に関する講習会が実施され、タイ側のバイオマス製造にかかる能力向上に資する取り組みが着実になされていることも報告されました。

今後は、ゴムの木のほかにユーカリの木のチップやトウモロコシの芯からの合成ガスの製造を行い、この合成ガスから、ガソリン、LPG及びメタノールの製造に取り組む予定です。

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第2回合同調整委員会会議

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新設されたガス化装置について説明を行うTharapong教授

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左 JICA小早川参事役 中央 Tharapong教授 右 椿教授

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バイオマス(ゴムの木)からのガス化 FT合成によって製造された軽油