自然災害と紛争、ともに乗り越え新しいまちを作って行こう。

2013年11月25日

紛争後の国づくり進めるソマリア国関係者が被災地を訪問

電気自動車を前に記念撮影

船積みを待つ新車が並ぶ仙台塩釜港の全景

石巻赤十字病院では、日ごろからの関係機関の連携体制の重要性を学ぶ

亀山石巻市長とバロウ外務・国際協力省副大臣

ソマリアでは、1991年に政権が崩壊して以来、全土を実効支配する政府が存在しない状態に陥りました。劣悪な治安と干ばつにより、大量の難民・国内避難民が発生し、不安定な情勢はテロやソマリア沖・アデン湾での海賊の温床になっているとも言われてきましたが、2012年11月、21年ぶりに統一政府が樹立され、国際社会による支援も進んでいます。
2013年4月に日本政府が22年ぶりにソマリアに対する二国間援助再開を決定したことを受けて開催される短期セミナーの一環で、紛争後の国づくり進めるソマリアのバロウ外務・国際協力省副大臣ら19名が11月13日、14日の2日間、東北地方を訪れました。

地域経済をけん引するような新技術の開発を含めた震災復興への取り組みを学び、紛争後の国づくりに生かすため、ソマリアのバロウ外務・国際協力省副大臣ら、外務・国際協力省、財務・国家計画省、資源省、商工省、大統領府などの幹部行政官19名は宮城県の多賀城市や石巻市を訪問しました。

多賀城市のソニー株式会社仙台テクノロジーセンター内に設置された「みやぎ復興パーク」の中に設置された東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)を訪問し、ソニーの大崎代表から震災当時の被災の様子、復旧・復興への取り組みと共に、「みやぎ復興パーク」が設立された経緯を伺うと共に、NICHeの長谷川教授からは、同大学の地域の企業との取り組み等が紹介されました。
一行は、同大が研究開発を進める電気自動車やドライビング・シュミレーターを実際に体験しました。参加者たちは、アフリカの地でもいつの日か電気自動車が走る日を夢見ながら、熱心に質問をしていました。

国土交通省の案内で訪問した仙台塩釜港では、国際拠点港である港の機能、震災の影響と現在の取り扱い貨物の様子などを伺いました。仙台塩釜港からは被災の爪痕が残る沿岸道路を南下し、仙台空港を訪問し制限区域内から空港を回りながら、空港施設の整備方法、排水・貯水施設などの必要性を学びました。また、震災当日発災後すぐに飛び立った国土交通省のヘリコプターから撮影した映像を見て、津波被害の破壊力に一同、驚いていました。

14日には、石巻赤十字病院を訪問し、災害拠点病院の位置づけと役割、震災前から同病院が取り組んできた災害を見据えた関係機関との合同訓練、実際の大規模災害への対応などを映像や写真などを確認しながら伺いました。また、免震構造施設を見学させていただき、5,000トンもの重量を支えている免震装置の仕組みについて、活発に質問がなされました。

午後は、石巻市役所を訪問し、亀山市長からご挨拶を頂くと共に同市の被災状況と災害復興計画、新たな街づくり事業についてお話を聞いた後に、意見交換を行いました。参加者からは、自然災害と紛争という要因は違えども、ともに新しいより良いまちを共に作って行こうとの力強いメッセージも頂きました。また、石巻漁港や集団移転造成地などを見学させていただきました。

彼らは津波災害の被災地を訪れ、自然災害の脅威を改めて共有すると共に、東日本大震災からの復興が着実に進んでいることを確認しました。また、行政や大学、民間などが取り組む平時からの防災への取り組み、関係機関や地域住民との連携の必要性を学びました。
自然災害と紛争と要員は違えども、日本とソマリアで経験を共有しながらともに新しいまちづくりに取り組んでいきたいとの力強い感想を述べていました。

訪問先では、ソマリアはこれまで馴染みの薄い国であったが、いずれの訪問先でも熱心な質問が出され明るく積極的な彼らを見て、イメージが一変したとの声が聴かれました。また、彼らが持ってきた海岸の写真は風光明媚でとても美しい風景が広がっていました。

訪問した石巻市、石巻赤十字病院、東北大学、国土交通省といずれの場所でも暖かく迎え入れて頂きました。関係頂きました皆様に感謝を申し上げます。
まだまだ、多くの困難がある国ですが、彼らが日本で見たことを活かしながらより良い国になっていくと確信を深めました。