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【JICAボランティア〜それぞれの帰国後〜】協力隊に参加していたからこそ、その後のどんな場面でも課題解決に向かって働きかけ、根気強く、人や現状に向き合う覚悟と粘りが生まれました

2017年12月18日

【画像】小林みずほさん(山形県)/青年海外協力隊/エクアドル/青少年活動/2014年帰国

バンコク日本人学校養護教諭、山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局を経て協力隊に参加。帰国後、地域支援団体等での勤務、持続可能な都市づくりのための創造都市事業に携わり、2017年より山形市職員。

国際協力をしたいという想いと、新しいことにチャレンジしたいという想いがちょうどリンクしたために協力隊に応募をしました

 2010年にJICAの短期ボランティアでガーナに派遣された時、一緒に活動させていただいた協力隊員の、現地と向き合い、自分と向き合い、一生懸命活動している姿がとても印象に残りました。日本でNPOの設立に関わり、映画祭の運営の仕事をしていたのですが、組織が安定したタイミングで、その経験を生かし自分が出来ることで国際協力をしたいという想いと、新しいことにチャレンジしたいという想いがちょうどリンクしたために協力隊に応募しました。

児童労働根絶のためのNGOで活動したほか、日本文化の紹介なども行いました

NGOの同僚達と

 エクアドルでは、児童労働根絶のための現地NGO団体に配属され、貧困層の子どもの家庭と学校訪問、市場での調査、日本語、折り紙、手芸、算数、音楽講座、母と子の料理教室などを行ないました。合わせて母親の意識向上のためのグループを結成し、リサイクル生活用品作りなどの活動に携わりました。

 その他、配属先以外のプライベートの時間を使い、日本映画の上映や日本文化講座を開講しました。また、他の協力隊員と共に、「広島・長崎原爆展」を開催しました。

現地の人に寄り添いながら一緒に考えていく草の根の活動は、現在の仕事と共通するものがあると感じながら、日々仕事に取り組んでいます。

クエンカ大学日本語コースの学生たちと

 退職後協力隊に参加した私は、帰国後安定した仕事に就くまでに少し時間がかかりましたが、必ず経験を生かした仕事を見つけることはできます。最初の1年は、2年間滞在したエクアドルへの想いが強く、地元山形のフリースクールで半年働いたあと、エクアドルに戻り、協力隊時代に日本文化講座などを開講していた縁で、クエンカ大学で日本語教師として働きました。協力隊の任期が終わった後にも、現地と長い目で向き合う道もでてくると思います。

山形市職員として現在は、文化振興課で勤務

 私はその後、日本に帰国し映画祭でコーディネーターなどを行う一方で、山形市ユネスコ創造都市ネットワーク加盟申請と、映画を用いての地域活性化の仕事を行ないました。現在は、その縁で、青年海外協力隊経験/社会人経験枠で、山形市文化振興課で仕事をしています。市民の身近な窓口となり、市の課題と向き合う地方自治体での仕事は、協力隊の寄り添いながら一緒に考えていく草の根の活動と共通するものがあると感じながら、日々仕事に取り組んでいます。

協力隊に参加していたからこそ、どんな場面でも問題解決に向かって働きかけ、根気強く、人や現状に向き合う覚悟と粘りが生まれました

貧困層のお母さん方の作品を販売するバザー

折り紙の手法を用いたクリスマスカードの製作

 協力隊帰国後も世界がものすごいスピードで変化している中、協力隊に参加していたからこそ、どんな場面でも問題解決に向かって働きかけ、根気強く、人や現状に向き合う覚悟と粘りが生まれました。

 明日は常に変化しているというラテンアメリカで、変化を受け止めながら対応するということ、活動が軌道に乗るまで時間がかかったことから、粘り強く働きかけること。うまくいかないことも多かったからこそ「ピンチこそチャンス」と思えるようになったこと。現地の知人に助けられることが多い協力隊生活でもあり、助けてくれる人がいるありがたみと「郷に入れば郷に従え」ということなど、様々な場面で協力隊の経験が生きています。

 現在、仕事で「文化など創造性を用い、国際間ネットワークを生かした持続可能な都市づくり」という取り組みをしていますが、この理念は、国際的な協力関係を築きながら共生していく道を探るという協力隊活動そのもので、ボランティア経験は、日本の現場の即戦力にもなっているのだと実感しています。

協力隊経験は、時間が経つほどに、じわじわと染みてきます

エクアドルの民族衣装を着て(筆者右)

 協力隊経験は、時間が経つほどに、じわじわと染みてきます。協力隊に参加すると、まだ知らない世界の現実に出会え、人と自分自身の可能性にも出会え、世界の多様性を知り、自分の常識や世界が76億分の1に過ぎないことに気づけます。活動期間は2年間であっても、世界の見方が変わってくるので、その後のものの見方も変わると思います。

 現地に派遣されると、「思っていたことと違った」ということもたくさんありますが、必ずそこには問題や課題があります。課題解決のために現地の人と恊働で取り組む過程は、すでに世界でキーワードになっている「持続可能な開発のためのゴール」の現場の最前線です。開発途上国で課題とされていることは、実は世界のどこかとつながっていて、日本や世界全体の課題でもあることを知り、自分の今いる日本社会と世界がつながっていることを、より深く認識できるようになります。

 協力隊に参加し、その国の課題解決に取り組むことで、誰かの可能性をちょっとだけでも広げることができたら、それは必ず、あなたのためにもなります。