【宮城県】JICA東北 国際理解・開発教育セミナー「教育は私の権利」を実施しました。

2019年7月22日

【画像】6月26日(日)、国際NGO・IVYのファシリテートにより、国際理解・開発教育セミナー「教育は私の権利」を実施し、33名の方が参加しました。(JICA東北・JICA二本松 教師海外研修 第一次事前研修の一環として実施。)

アイスブレーキングでは、会場から家までが遠い順に並んでみました…一番遠かったのは、なんとハワイ!

ワークショップの前半は、「世界一大きな授業」を実施。

世界における教育の状況を、クイズを通して考えました。

※世界一大きな授業とは
「世界一大きな授業」(英語名称:The Biggest World Lesson)は「持続可能な開発目標(SDGs)」の「ゴール4=教育目標」を達成するための世界規模のキャンペーンです。
(jnne 教育協力NGOネットワーク ウェブサイトhttp://www.jnne.org/gce/about.htmlより)

次は、世界における識字・非識字の現状を考えました。

【画像】『ワークショップ版・世界がもし100人の村だったら』の役割カードを使い、ファシリテーターの示す文字が読める人はその指示にしたがいます。

※『ワークショップ版・世界がもし100人の村だったら』とは
世界の「多様性」と「貧富の格差」を体験的に学ぶワークショップ教材です。
世界には約70億もの人がいますが、それを100人に縮めてみたらどうなるでしょう?
メールメッセージで広がった「世界がもし100人の村だったら」を使い、実際に身体を使いながら世界の格差や多様性を体感することができます。
(著者 開発教育協会 ウェブサイトhttp://www.dear.or.jp/books/book01/928/から引用)

今、世界には7億8100万人の成人非識字者*(15歳以上)がいるというのを、身をもって感じる瞬間でした。
(*)出典:EFAグローバルモニタリングレポート2015、ユネスコ

文字が読めないことでどんなことが起こるのでしょうか。

グループがそれぞれ一つの家族である、という設定で、シミュレーションゲームを行いました。
お母さんが病気で寝ています。
病気を治すために村のお医者さんの家に行った息子は、その家で、3つの瓶を見つけました。
どれも、薬っぽく見えます。
さぁ、どの瓶に入っている液体が、お母さんの病気を治す薬なのでしょうか??
ネパール語で、「水」「毒」「薬」と書かれた紙が貼られた瓶から、グループの代表がそれぞれこれだ!と思うものを選んで家に持って帰ります。

文字が読めないと、このような場面で生死にかかわる判断をすることができません。
また、せっかく作った農作物を安い値段で買いたたかれたり、契約書にサインをしてしまって土地や財産をだまし取られたり…ということが実際に起きています。

このように、さまざまな「ちがい」が世界には存在しています。
このちがいが「あっていい」ちがいなのか、「いけない」ちがいなのかを考えるために、「ちがいのちがい」というワークショップを使って、世界の不平等、権利について考えました。
配られたカードを、グループ内で「あっていい」ちがいと「いけない」ちがいに分けてみました。
参加者によっても価値観や文化の違いがあって、どのグループも結構白熱していました。

最後に、「なぜ世界中の人たちにとって質の高い教育は必要なのでしょうか?」というお題に対する答えをブレインストーミングしました。

世界一大きな授業への投稿のために、全体写真をパチリ。SDGs4「質の高い教育をみんなに」を考える充実した150分でした。みなさん、お疲れさまでした。

参加者の声(アンケートより)

【感想】
・とても有意義なセミナーでした。学校でも使えそうなものも多くあり、ぜひ実践してみたいです。
・とても楽しかった。答えのない問いを考えるのは楽しい!!と思える150分でした。
・初めての参加で、初めてお会いする方々ばかりでしたが、とても充実した時間であっという間に時間が経っていた感じです。新たに知ることもたくさんあり、他の人の考え方もお聞きすることができてとても良い経験になりました。
・受動的にではなく、主体的に話し合いに参加することで、色々な人の考えていることを知ることができた良い体験になりました。
・経験、知識が豊富な方々に囲まれて勉強になりました。
・素晴らしいワークショップで学びの多い時間になりました。
・2H30minがあっという間でした。参加者がさまざまな背景を持っている分、セミナーの進行の難しさを感じましたが、いろいろな立場からの話も聞けて良かったかもと感じています。
・世界の教育の現状を知った上で、なぜ質の高い教育が必要なのかをグループで話し合うという流れが良かった。どうして必要なのか?という理由とワークの内容がつながるところもあり、共有がしやすかった。IVYの活動の内容も具体例として参考になった。

【今度参加してみたいセミナー】
・世界の現状を把握し、課題解決について考えられるようなもの
・海外の途上国支援についての講演
・SDGs、難民問題のセミナー
・国際理解、開発教育授業の体験
・教育の普及のしかた、必要性について探求できるようなもの
・国際協力に関する学びを深められるセミナー

                                                  以上

(報告:JICA東北 清水)