【草の根技術協力】「動物園を拠点とする生物多様性保全のためのESDプロジェクト」の本邦研修が始まりました

2019年9月11日

9月4日(水)、マダガスカル共和国から研修員のクロディーヌさんがJICA東北を訪問しました。
今回の来日は、草の根技術協力の「動物園を拠点とする生物多様性保全のためのESDプロジェクト」のアクションプランの作成と今後の活動実施体制を計画するため約1週間の滞在になります。

ESDプロジェクトとは

ESD(Education for Sustainable Development)とは、現代社会の抱える課題を身近なものと捉え課題解決に向けて行動を起こすことで、持続可能な社会をつくるための担い手を教育することです。
今回のプロジェクトはマダガスカル共和国を舞台に、マダガスカル共和国唯一の国立動物園であるチンバザザ動植物公園(PEZT)、仙台市八木山動物公園、宮城教育大学が主体となってプログラムが実施されています。

動物園を拠点とする生物多様性保全

【画像】マダガスカル共和国は急速な人口増加に伴い、野生生物生息地の消失分断、林産物の過剰摂取という課題を抱え、独自の進化を遂げたマダガスカルの生物多様性を保全するため地域住民の主体的な行動が求められています。
マダガスカル共和国北西部にあるアンジアマンギーラナ市など野生生物の生息域として保全が必要とされる域内保全区域では、地域住民を対象に野焼き防止や植林推進などの活動と活動の定着と発展のための教育が実施されています。PEZTでは、域内保全区における活動の定着と発展のためESD実施にかかる人材育成・教材開発が行われ、域内保全区の地域住民の生活改善を通じて生物多様性保全を推進するESDの拠点としての機能を発揮することが求められています。

クロディーヌさんのお話

【画像】研修員のクロディーヌさんに今回の研修をどのような研修にしたいかという質問をしたところ、「今回は、アクションプランの完成と11月にマダガスカル共和国で開催されるシンポジウムの計画、そして8月にマダガスカル共和国の域内保全区で実施したモニタリングの分析と考察のために日本に訪問しました。これらの目標を達成するために研修期間中過ごしたい」とのことでした。
加えて9月15日には、チンバザザ動植物公園職員2名が研修員として日本を訪問し、約1週間の研修が実施されます。
3名の研修が有意義なものとなり、マダガスカル共和国において生物多様性保全に貢献するESDの実施体制確立、マダガスカル共和国と仙台市との新たな「繋がり」が創出されればと思います。

(報告:インターンシップ 宮城大学3年 高梨)