【青森県】2019年度JICA東北・JICA二本松教師海外研修に参加した先生による授業実践が青森県八戸市立白金中学校で行われました

2020年1月9日

【画像】八戸市立白金中学校の中居俊輝教諭が、11月22日(金)同校1年生に対してタンザニアに関する授業を行いました。

自分たちが住む白銀地区の魅力を再検証しよう

実践授業は全13時間の単元の9時間目に充てられていました。この単元では、「タンザニアについてより深く知り、良さを発見することで、主体的に取り組み自己を高めようとする態度を育てること」を目標としています。

実践授業まで、SDGsについて知る、世界のことに興味を持ち現状を知る、タンザニアについて知る・考える・触れる、白銀地区とタンザニアとの比較から共通点と違いを見つけ、新たな疑問を見出す、という8時間の授業を終え、前時ではタンザニアに対する以下のような調査テーマ(疑問)を出し合いました。(一部抜粋)

・戦争がないのに貧しいのはなぜか
・難民はどこに行くのだろうか
・今までどのような災害があったのだろうか
・なぜ、1日250円で生活しなければならない家庭があるのだろう
・日本がタンザニアにしている支援はどんなものがあるのか
・なぜ、発展しているところと発展していないところがあるのだろうか
・海に面しているのにきれいな水がないのはなぜか
・なぜ水は買わなければならないのか
・国家試験はなぜあるのか。またどんな内容なのか
・なぜ、タンザニアには病院が少ないんだろうか
・タンザニアの主食は何か?また神社はあるのだろうか
・なぜ宗教はたくさんあるのだろうか、また宗教が日頃の生活に及ぼす影響は?
・なぜ、校則で坊主なのか
・なぜ、バイクタクシーがあるのだろうか
・タンザニアの職はどのようなものが主流なのだろうか
・なぜ、チャイムは自分たちで鳴らすのだろうか
・お祭りのようなものはあるのだろうか
・なぜ、日本車が多いのか?
・なぜ、こんなにも環境が違うのだろうか

タンザニアの「なぜ」という疑問に対して、仮説と検証方法を考えよう

本時は、いよいよその調査テーマに対する仮説や調査計画の立て方を考えます。

疑問に対して、自分なりに答えを考えてみることは大切です。自分が立てた仮説を検証することで、学習はより一層深まります。

それぞれの調査テーマを基に、仮説を立てる方法を中居先生が説明します。

例えば、
「タンザニアでウガリが食べられているのは、トウモロコシを中心とした産業が関係しているからだろう」という仮説に対しては、「タンザニアの農産物の生産量に関するデータ」を調べれば、豊富な食材がタンザニアンの食文化を支えてきたことが分かるだろう、という具合です。

しかし、仮説を立てるのは大人でも難しく、生徒たちも苦戦していました。グループごとに調査テーマに対する仮説と調査計画を検討し、ワールドカフェ方式で共有。その後、代表3グループが、全体を前に発表しました。

この授業の後は、実際に仮説の検証を行い、改めて自分の住む地域と比較してそれぞれの良さを再発見することになっているそうです。調べた内容をPRすることが最終ゴールです。自分の住む地域を、自ら調べ、深く知り、その良さを周りに発信する。どんなPR内容ができあがるのか、とてもわくわくします。

(報告:市民参加協力課 清水)