• ホーム
  • JICA東北
  • トピックス
  • 2021年度
  • 【福島県】『人や地域を繋ぐスポーツの力』キャッチボールクラシックオンライン国際交流大会2021」にてJICA国際理解ブースを出展しました

【福島県】『人や地域を繋ぐスポーツの力』キャッチボールクラシックオンライン国際交流大会2021」にてJICA国際理解ブースを出展しました

2021年12月17日

2021年12月4日、福島県営あづま球場にて『キャッチボールクラシックオンライン国際交流大会2021』が開催され、JICA国際理解ブースを出展しました。

『福島から世界へ』 

キャッチボールを通して国際交流のきっかけを作った生徒たち(三春中学校)

「キャッチボールクラシック」は、2011年に東日本大震災の復興イベントとして福島県でスタートし、10年目を迎えました。新型コロナウイルスの感染拡大の中、新たにオンラインでの開催を取り入れ、『キャッチボールクラシックオンライン国際交流大会2021』として、世界中の野球・ソフトボール選手たちがオンラインで繋がるイベントとなりました。福島の復興・恩返しを世界に発信するとともに、“野球を通して世界が繋がり、互いに文化思想を理解することで、グローバルな人材育成に繋がる大会”にまで発展しました。
当日は、野球・ソフトボールに取り組む小・中学生が全国71チーム、世界13カ国より参加しました。福島県内の小学校9校、中学校15校の選手たちは、東京2020大会の野球・ソフトボール競技会場となった福島県営あづま球場に集まり、球場に併設された投球練習場ではJICA国際理解ブースを出展いたしました。

『復興から10年。福島から世界へ恩を繋ぐ』 

福島県あづま球場での大会の様子

本大会の実行委員長である福島ベースボールプロジェクトの磯崎邦広代表は、「2011年の東日本大震災では多くの国に助けられた」と語ります。
震災当時、福島県は沿岸地域を中心に大きな被害を受け、野球どころか外にも出られない期間が長く続きました。そのような中、磯崎代表のもとに世界中の方々からの野球道具の寄付が集まり、福島県の子どもたちに大きな希望をもたらしてくれたと言います。このような背景から、『福島から世界へ』というキーワードのもと開発途上国への野球普及支援なども行い、今回の大会では南スーダンやブルキナファソなど野球文化がまだ定着していない国々ともキャッチボールを通じた交流を行いました。参加した選手の中には「実際にその国(交流相手国)へ行って野球の普及活動を行いたい」と強い気持ちを表現する選手もいました。

『きっかけは福島の先生方の想い』 

様々な国々の野球事情を見て選手同士で
意見交換をする姿

本大会は今年で10年目の節目を迎え、国際交流大会にまで発展した大きな大会となりました。10年前の震災当時は野球どころか外にも出ることができない中で、「恩返し」ということを考える余裕すらない状況でした。しかし、福島ベースボールプロジェクトの磯崎代表を中心に、福島県の先生方が協議を重ね、「福島から世界へ 恩返しプロジェクト」として日本プロ野球選手会が主催する全国大会の開催地を福島に決定、実施に至った経緯があります。今回の開会式では、東日本大震災から10年。第1回キャッチボールクラシック全国大会の参加者より、当時の想いと現在教員として子どもたちに伝え続けている想いを全国に発信する場面がありました。
参加していた選手たちの中には震災当時のことを知らない選手も多く、野球を通して世界に恩返しをする意味を知る大きなきっかけになりました。

『選手・親・教員が一緒になって真剣にJICA海外協力隊経験者の話を聞く姿』

JICA海外協力隊経験者 中村さん(ボツワナ/ソフトボール)による体験談発表

今回のイベントで印象に残った光景が、選手と親御さん、そして先生方も一緒になってJICA国際理解ブースに参加いただいたことです。選手がJICA海外協力隊経験者の体験談を聞いている傍で、親御さんも熱心に話を聞いていました。そして、ある親御さんの言葉がとても印象的でした、「うちの息子にもこんな経験してほしい」と。ブース出展を通し、スポーツを通じた国際協力の世界を多くの方に伝えることで、今まで知らなかった世界や人生の選択肢を伝えることができると改めて感じた瞬間でした。

JICA海外協力隊経験者 棚原さん(タンザニア/体育)の体験談を聞く選手と親御さんたち

JICA東北では、今後もスポーツや教育を通して地域の皆さんと協力し、国際交流・協力を進めていきたいと思います。

(JICA青森デスク 阿部翔太)