【岩手県】JICA海外協力隊グローカルプログラム開始にあたり、陸前高田市長を表敬訪問

2022年1月21日

独立行政法人 国際協力機構(以下、JICA)は、2022年1月10日(月)より、岩手県陸前高田市においてJICA海外協力隊グローカルプログラム(以下、GP)を開始しました。
それに伴い、2名のGP候補生が1月17日(月)に陸前高田市 戸羽太市長を表敬訪問しました。

陸前高田市のこれまでの歩み ~東日本大震災以降~  

(左より)舟波副市長、戸羽市長、阿部地域振興部長、村上観光交流課長、木全商政課長

陸前高田市は、わかめや昆布などの海藻類、あわび・うに・ホタテ・かき・広田湾産エゾイシカゲ貝といった貝類、さけなどの魚類等、漁業がとても盛んな街です。また「米崎リンゴ」や「たかたのゆめ」といった、果物やお米などの地域特有の農産物の栽培にも力を入れています。
2011年の東日本大震災における津波により、沿岸部のみならず中心市街地も壊滅的な被害を受け、市としての機能を失いました。市街地が流出してしまったことにより、文字通り「イチから」街づくりを行う必要があったのです。イチから街づくりを行うにあたり、東日本大震災と同じクラスの津波が来ても命が守られる「災害に強い安全な街づくり」や、誰もが多様性を認め合い、自らの意志や選択によって自分らしい生き方を実現できる「ノーマライゼーションという言葉のいらない街づくり」を目指し、市民一丸となって取り組んでいます。
また、米国クレセントシティやシンガポール、名古屋市といった国及び自治体、アディダスや川崎フロンターレといったスポーツ団体からの支援や交流など、多岐にわたる関係者と繋がりを大切にしながら、よりよい街づくりを目指しています。

陸前高田市 戸羽市長を表敬訪問 

陸前高田市にてGPが開始するにあたり、同市のGPに参加する小林 恭子さんと中里 大介さん、及び小林 雪治JICA東北センター所長をはじめとするJICA関係者が同市を訪問し、戸羽 太 陸前高田市長を表敬訪問しました。

JICA海外協力隊グローカルプログラム 陸前高田市での活動を開始 

陸前高田市にてグローカルプログラムに参加する小林さん(右)と中里さん(左)

JICAは、2022年1月より、JICA海外協力隊を開発途上国に派遣する前の研修のひとつとして、「JICA海外協力隊グローカルプログラム(※)」を開始しました。陸前高田市では、ボリビアに文化隊員として派遣予定の小林 恭子さんと、マダガスカルにコミュニティ開発隊員として派遣予定の中里 大介さんが研修を行います。
小林さんは、「ずっと憧れだったJICA海外協力隊に、ようやく合格することができた。これまでに陸前高田を訪れたことはないが、トナリノさん(小林さんの受入団体)は様々な取組みを行っているので、とにかく色々なことを学び吸収していきたい」と抱負を語り、中里さんは「震災ボランティアとして陸前高田へ来たことがあるが、あらためて訪れてみて、当時から街の様子が非常に変わっていて驚いた。GPが終わるころに「もう帰っちゃうの」と言って貰えるよう、現地の人たちと信頼関係を築きながら取組みたい」と述べました。

※「JICA海外協力隊グローカルプログラム」
本プログラムは、帰国後も日本国内の地域が抱える課題解決に取り組む意思を有するJICA海外協力隊が、地域の方々とともに、自治体等が実施する地方活性化や地方創生の取り組みを学び、海外での活動に活かしてもらうことを目的としています。訓練所での派遣前訓練開始前の期間(3か月間程度)に研修を行い、日本国内の地域活性化の取組みを知る事で、開発途上国での協力活動においても有益な実務経験や知見を得ることも期待されます。

(報告者:市民参加協力課 遠藤)