教師海外研修
「皆さん、ベトナムと聞いて何を思い浮かべますか?」そんな先生の問いかけに、「アオザイ・フォー・生春巻き…」と生徒の声。「なるほど、その通り。でも先生がベトナムに行って、もっといろいろ調べてくるから、みんなはどんなことが知りたい?」
今年度の教師海外研修では、千葉・埼玉から計13名の先生方がベトナムに行くことなり、その事前授業での様子です。途上国の現状・ODAの現場・教育事情などを日本の先生方に知ってもらうため、夏休みを利用して実施される「教師海外研修」。その一部、ベトナム編をご紹介します。第1回目はNGO活動視察編です。
ベトナムでは地方農村・山岳部で子どもの栄養不良が多いため、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは北部イェンバイ省2群をモデルケースとし、子どもの栄養改善・母親の産前検診・家庭菜園の普及などの事業を展開しています。
ハノイから車で約5時間のミン・スアン村は、山々と蓮池に囲まれた静かで美しい村です。「あ〜ベトナムに来たんだな」と思わせる、絵に描いたような風景に、三角の草で編んだ笠をかぶった女性たちが映えます。そんな村の中で、プロジェクトに参加している家庭を訪問しました。
高床式の家は暑い夏でも涼しく、竹でできた床は隙間から地面画が見えるのに、先生方13人乗っても勿論大丈夫!「皆さん、ジャンプしても大丈夫ですよ」と主人の声に先生方は不安顔。ムオン・ライ村では、モデル農家を訪問し女主人との意見交換。両村で「プロジェクトのおかげで、家庭菜園や栄養指導のおかげで子どもの栄養不良率が減った」「野菜を売り収入を得ることができるようになった」などの声を聞くことができました。
センターではベトナム盲人協会に所属する人に点字・指圧などの教育、指導を行っており、民族フォーラムはセンター内にできたハノイ初の専門点字図書館の運営を支援。
自らも盲人であるセンター所長は、義務教育を受けることすら難しい現状や、特に山岳地域に住む人々や女性の自立が難しいといった現状を語ってくれました。センター長の冷静で力強い口調と、問題を解決してゆこうという意気込みに先生方も共感し、真剣に話を聞いていました。
また、朝から晩までバイクが道路を埋め尽くしているベトナム・ハノイの町。交通事情は非常に危ない、という現実に直面した先生方からは、「どのように外を歩くのか」「白杖は社会的に認知されているのか」「盲導犬の導入は」などの質問が相次ぎました。
「日本も数十年前まで、同じような状況でした。あきらめずにがんばって活動を続けてください」と先生からメッセージに「その言葉を励みにがんばります」と笑顔で答えるセンター長が印象的でした。
経済協力・国際協力の面で日本とベトナムの結びつきはとても強く、2003年には日越外交関係樹立30周年をむかえました。日本は主要な援助国であるほかに、近年の首脳の相互訪問等を経て、経済面のみならず政治、文化の幅広い分野での交流が進んでいます。
学校訪問
4人5人乗りは当たり前!?
美しい田園風景