第10回 コートジボワール大アビジャン圏都市整備計画策定に向けて:「都市計画管理」研修

研修コース名:国別研修「コートジボワール都市計画管理」
本邦滞在期間:2014年1月19日(日)〜1月30日(木)
研修委託機関:株式会社オリエンタルコンサルタンツ

「日本での研修で、魚を与えられるのではなく、魚の釣り方を教えてもらい、感謝しています。」
研修半ばで実施された中間報告会にて、研修員より感謝の言葉が述べられました。

安倍首相が、2014年1月10日から1月11日の間、コートジボワール国を訪問された際、アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクトの内容を踏まえたソリブラ交差点の高架橋建設に関する協力準備調査の実施を言及されました。
今回のJICA本邦研修は、日本が豊富な経験を有する公共交通指向型都市開発のアプローチを導入するための知見を得ることを目的に実施しました。

1960年の独立後、「イボワールの奇跡」と呼ばれた年率8%の経済成長を支え、
コートジボワール国の政治・経済の中心地として成長を遂げたアビジャンは、1990年代後半からの政治危機・内戦のうちに人口、資本、機能を管理できず現代都市に典型的な問題を悪化させ、現在、コートジボワール国の復興、さらには地域の安定に課題を突きつけています。
2011年選挙後にワタラ政権が発足、今後の開発・発展のためには、2000年に策定された計画を分析・評価し、教訓を導き出したうえで、現状に則した都市整備計画の策定を速やかに行うことが喫緊の課題となっています。

JICAは、大アビジャン圏において、2000年に策定された都市整備計画の評価・分析、2030年を目標年次とする都市整備計画の策定、優先度の高いプロジェクトにかかるフィージビリティスタディを行うことにより、持続可能かつ国家開発方針と一致した都市整備計画を策定することを目的とする「大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト」を実施しており、その一環で今回の本邦研修を実施しました。

国名:コートジボワール
プロジェクト名:大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト

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  1. みなとみらい21地区の海側から山側へのスカイラインを望み、秩序ある都市景観を形成するため、地区の特性に合わせた高さにコントロールされていることを学びました。
  2. 森ビルで、都心部の再開発手法、民間デベロッパーによる都心部の再開発について講義を受けた後、六本木ヒルズを見学し、都心部の賑わい創出の手法を学びました。
  3. 首都高速道路大橋ジャンクションのループ部分。ジャンクションとしての機能のみならず、ジャンクションのループ屋上を緑化整備されたバリアフリー公園、高速道路トンネルの換気所を見学しました。
  4. 東京都庁にて、東京の都市づくりビジョン、都市計画のマスタープランについて学んだ後、展望台から東京の街並みを眺めました。
  5. 前半5日間の研修を終え、JICA本部にて中間報告会。研修員は、これまで見学した内容と同様の開発を大アビジャン圏に導入すると想定した場合の模擬計画案を発表しました。前日は徹夜で計画案を作成したとのこと。
  6. 観光都市である京都市の交通施策(市街地への自動車抑制)を学び、バスロケーションシステムを見学しました。
  7. 公共交通指向型都市開発として、神戸ポートアイランドに整備された運転士を必要としない無人運転システム、ポートライナーに乗車、臨海部の都市開発を見学。研修員は、先頭車両の一番前に座り、運転手の真似をしていました。
  8. 同じく公共交通指向型都市開発である神戸市西神ニュータウンの自転車駐車場と自動車駐車場。駅に自転車や自動車を駐車し、市営地下鉄で移動する、「パークアンドライド」を都市交通管理手法として学びました。
  9. 環境都市として開発された西神ニュータウンの住宅地のゴミの収集場所にある分別方法の張り紙を発見。3Rを含む環境・廃棄物管理手法を学びました。
  10. 研修最終日、現在アビジャンで検討中の都市計画マスタープラン、都市交通マスタープランにフィードバックできることは何か、白熱した議論が行われ、10日間の研修を修了しました。今年10月の大アビジャン圏都市整備計画の策定に向けて、引き続きJICAは協力していきます。