モロッコの地域開発に向けた行政の連携のために〜高知、群馬、東京で学ぶ〜

モロッコより行政官4名が来日し、約2週間の本邦滞在の中で、地域開発のための行政の連携について学びました。

日本の地域開発を学びたい

中芸広域消防本部視察(高知県)

JICAは、NTCインターナショナルの協力を得て、モロッコのエルラシディア県にて「地域開発能力向上プロジェクト」を展開しています。
この度、プロジェクトに携わるモロッコ政府の行政官に日本の地域開発を自分の目で見て学んでらおうと、プロジェクト活動の一環として、2015年7月下旬より8月上旬まで約2週間、行政官4名を研修員として日本へ招聘しました。

都内で講義を受けた後、高知県、群馬県を訪問

中芸広域リサイクルセンター視察(高知県)

研修員4名は、来日後、まずJICA東京にて、NTCインターナショナルの講師より、日本の「地方分権」「地方行政」「広域行政」について講義を受けました。
その後、高知県庁を訪問し、県職員より「企画・調整部門の役割」「市町村への権限移譲」「産業振興計画における市町村連携」についての講義を受けました。
翌日には、高知県「中芸広域連合」の「中芸広域消防署」「リサイクルセンター」「中芸広域体育館」を視察し、翌々日には「馬路村農協ゆずの森加工場」を視察し、実際の地域開発の現場における行政の連携について理解を深めました。
高知より一旦東京に戻った後、翌週には、群馬県庁を訪問し、県職員より「自治体間の協力・連携」「広域連携による基幹水利施設のストックマネジメント」についての講義を受け、その後「大正用水施設」を視察しました。

モロッコでの実践に向けて

大正用水ストックマネジメント事業現場視察(群馬県)

研修員4名は、群馬での講義及び視察を終えた後、再び東京へ戻り、翌日、JICA東京にて日本の行政経験者との懇談会に参加し、研修プログラムを修了しました。
その後、今回の研修の成果をアクションプランとしてまとめ、関係者の前で発表した後、研修修了証を受領し、翌日、モロッコへの帰路へ就きました。
モロッコでは、中央政府と県の関係等、日本とはシステムが異なる部分もあり、今回の研修中に日本で見聞した地域開発への取り組みをモロッコで実践するためには、乗り越えるべきハードルも多いように見受けられましたが、各研修員の帰国後の取組みにおいて、今回の研修において学んだ見識が少しでも役立つことを願ってやみません。



産業開発・公共政策課 川津 詩乃 (2015年8月)