インド「上級経営幹部研修」日本社会を通して「ものづくり」の真髄を学ぶ

(1)事前準備の様子

 インド製造業界の経営幹部59名が来日し、日本の「ものづくり」社会の特色を自ら現地調査し、分析する「自主研究」を行い、成果発表を行いました。

 「上級幹部研修」の参加者は、インドの製造業経営幹部を育成支援するためのJICA技術協力プロジェクト「包括的成長のための製造業経営幹部育成支援プロジェクト」を通して来日した、インド有名企業の工場長以上の上級幹部です。彼らは8日間の研修期間を通して、自動車工場等の視察の他、日本の社会に飛び込んで日本の繁華街を観察し、人が集まる要因を分析し、その結果をインドでの製造業の発展に役立てる考察をしました。

 この研修では、(1)日本の「ものづくり」の現場視察、(2)外からの目でインド製造業を見直すこと、(3)日本社会が総体として「ものづくり」社会であること、を理解することでインドの製造業の発展に貢献する人材育成を目指しています。

(2)成果発表会の様子

 研修員は、5〜6人ずつのグループに分かれて秋葉原、浅草、渋谷、新宿、原宿の繁華街に出かけ、人が集まる場所の写真を撮影し、その写真を通して集客の要因を分析し、この調査からインドにおける新しいビジネスの計画を立案します。グループ毎に事前にインターネットで担当地域の特徴や簡単な歴史等について勉強し、調査内容をグループで討論する等事前の準備を入念に行い、それぞれの街に出向いて調査を行いました。
調査後はグループメンバーで協力して夜遅くまでかけて発表資料を作成し、発表会に臨みました。

(3)成果発表会の様子

 研修期間中の視察やグループワークを通して学んだことは調査結果に留まらず、限られた時間の中で情報収集・分析を行い、その結果に基づいて資料に纏め、聞き手に分かりやすい説明を行うといった、会社の経営者候補として重要なビジネススキルや、綿密な事前準備を行うことの重要性といったプロセスも学びました。

 この研修の経験を活かして、研修員が今後インドの製造業の発展に貢献することを期待します。