アルゼンチン国「カイゼン活用による企業の生産性・国際競争力向上を目指して」

アルゼンチン国立工業技術院(INTI)及び関連機関より10名の研修員が来日し、日本の品質・生産性向上について学びました。

(アルゼンチンより研修員10名が来日)

訪問先TIRIにてキャラクターのチリンと一緒に

JICAは「アルゼンチン国カイゼン・グローバル・ネットワーク展開プロジェクト(KAIZEN-TANGO)」における活動の一環として、2018年7月研修員10名を招き、株式会社パデコ/有限責任監査法人トーマツ/公益財団法人日本生産性本部の協力により「品質・生産性向上」研修を実施しました。

研修員は、このプロジェクトに携わる、技術試験機関、中央省庁、産業団体、大学と様々なセクターからの参加となり、ネットワーキングを通じ、アルゼンチン国内に効果的なカイゼン普及を図るために参加しました。
アルゼンチンの中小企業に対してカイゼン手法を普及・推進する国立工業技術院(INTI)のマルコスさん、カイゼンを通じた企業支援や起業家育成を教えるブエノスアイレス大学工学部長のアニーバルさん達は、それぞれが独自に「カイゼン及び経営管理手法」を展開してきましたが、今後はより戦略的に、全機関が共通の目標を持ち、一丸となって進めることを期待し、日本企業における品質・生産性向上等の取り組みを学びました。

(日本の製品・技術の競争力向上の支援について学ぶ)

実証実験セクター環境試験室でシステムのレクチャーを受ける研修員

製品開発支援ラボに設置された機器に興味を示す研修員

案内ロボット「チリン」を使ってデモンストレーションを体験

猛暑の中、東京都立産業技術研究センター(TIRI:江東区青海)を訪れ、日本の公的機関による技術管理・検査を通じた中小企業支援や人材育成等の取り組みについて講義を受け、同センター設備の見学を行いました。
同センターは、アルゼンチン国立工業技術院(INTI)のような機関にあたり、中小企業活性化を支援する、東京都が設立した公設試(公設試験研究機関)です。研修員は中小企業に提供されている様々な最新機器の実証実験システムの説明に熱心に耳を傾け、製品開発支援ラボの機材に触れ、開発実験中のロボットによる翻訳機能、日本文化紹介、定型会話コミュニケーションのデモンストレーション等を体験しました。

(「カイゼン」は企業の競争力向上に貢献する)

アニーバルさんのアクションプラン発表風景

滞在中の研修員の思い出の写真(富士登山等)を紹介

アクションプラン発表に参加した大使を囲んで記念撮影

10日間と短い研修期間の中で、研修最終日には各研修員が課題分析をベースに日本で学んだことを踏まえて自国課題を解決するアクションプランを作成し、発表を行いました。
当日は、在日アルゼンチン大使アラン・ベロー氏も参加され、研修員の発表にも熱が入り、活発な質疑応答が行われ、本プロジェクトの注目度がうかがえました。最後に研修員から日本での充実した研修と滞在中の思い出(富士登山等)について感謝が述べられ研修を無事に終えました。
帰国した研修員たちには今後、今回の研修で得られた「カイゼン活動」の知見の普及を通しアルゼンチン国が進める経済改革の成果を広く行き渡らせるため、企業の生産性、国際競争力強化に寄与していくことが期待されています。



<報告者:産業開発・公共政策課>