【報告】JICA教師海外研修(教員コース)参加教員の授業実践レポート(群馬編)【開発教育支援事業】

2014年11月6日

授業をする小山教諭

JICA教師海外研修に群馬県から唯一参加している群馬県立あさひ養護学校の小山貴裕教諭は、8月に訪問したモンゴルや国内での研修の体験を生かし、高等部1年生から3年生までの生徒を対象に「日本とモンゴルの関係から、援助について考える」ことテーマにした現代社会の授業を全7回行いました。

遊牧民に対して援助が必要か?不必要か?

この質問に対して、これまでの学習内容を踏まえて生徒達から様々な意見が出てきました。必要と考える生徒は「近くに病院や学校を建てたり、ガスや水道、電気の設備を整えることは重要」と発言し、不必要と考える生徒は「遊牧民は自然を生かした生活をしているため援助は不要」「自然を壊してしまう可能性もある」と発言しました。また、「近くに病院や学校はあったら良いが、遊牧民と我々の“近い”の感覚は違うのではないか」との意見も出されました。

遊牧民の生活は幸せか?

インタビュー内容を伝える小山教諭

続いて、小山教諭がモンゴルで遊牧民の方々にインタビューした内容を伝えました。「遊牧生活で幸せを感じるときは?大変、辛いことは?」という質問に対して、「家畜と一緒に生活できることが幸せ」「冬の寒さ(冬には氷点下30度にもなる)や風で家畜が亡くなると辛い」などの答えが返ってきたそうです。また「都会に住む人は幸せだと思うか?」という問いには、「都市のウランバートルは空気が汚いし、空が良く見えないから不幸せだと思う」との回答があったということでした。

援助は、人を幸せにするのか?

生徒にメッセージを伝える小山教諭

インタビュー内容を踏まえた上で、小山教諭は生徒達に「援助は、人を幸せにするのか?」と質問しました。「困っている人、援助を必要としている人にとっては良い」「自然、人間関係、今までの慣れた生活などを壊す可能性もあるから、良くない」などの意見があり、どちらともいえないと考えた生徒からは「相手のニーズによって援助の形は異なり、そのニーズを知ることが必要ではないか」という意見も出されました。
全7回の授業を終えるにあたって小山教諭は、「今回の授業で外国のことや異文化を理解すると同時に、一部、支援を受ける立場でもある皆さんは、支援する側、される側の両方の視点から“援助の在り方”を考えることができると思う。自分だったらどうするか、考えるきっかけにしてほしい」とまとめられました。生徒達が授業を通して援助について真剣に考える姿がとても印象に残りました。

今回の小山教諭の授業実践の報告内容を含む、世界と地域への理解を深めるためのセミナーである「ぐんまグローバルセミナー」(JICA東京、群馬県観光物産国際協会、NPO法人ESDぐんま主催)を2月14日(土曜日)に群馬県庁にて開催する予定です。詳細は今後、本ホームページやJICA群馬デスクのfacebookページでもお知らせしますので、興味のある方はぜひお越しください。

JICA群馬デスク 矢部哲也