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中小企業海外展開支援事業採択企業インタビュー: (株)MARS Company(モロッコ 高度冷蔵保存技術導入による農水産品の高付加価値化に向けた案件化調査)【民間連携】

2014年11月14日

2014年度第1回案件化調査で仮採択となった群馬県にある株式会社MARS Company代表取締役、松井寿秀さんにお話を伺いました。

独自の技術とアイデアでモロッコの農水産業の成長に貢献したい

(株)MARS Companyの松井代表取締役(右)と井筒常務取締役 兼 事業開発部長(左)

―今回、モロッコでの案件化調査を通じてニーズを確認するのはどんな製品ですか?
「電場」を利用した冷蔵装置「KuraBan」と、輸送中の魚の品質劣化を防ぐ氷「sea snow」です。魚介類や野菜・果物の輸送中のロスを減らし、更にチルドで新鮮なままより遠くへ運び付加価値を産むことで、モロッコの主要産業である農水産業の成長に貢献できると考えています。

通常の冷蔵庫よりも長く保存が可能

―「電場」というのはあまり聞きなれない言葉ですが…?
まだ解明されていない部分の多い技術ですが、アイデア次第で様々な用途に応用できると考えています。KuraBanは果物や鮮魚など、鮮度の落ちやすい食材を通常の冷蔵庫の3〜10倍の期間保存することができ、肉や魚を熟成させる効果もあります。
一方のsea snowは、塩分を含むので通常の氷よりも低い温度(-1℃)を長時間保つ上、魚の体液とほぼ同じ塩分濃度なので塩分及び水分の出入りが無く高鮮度を保つ事が出来ます。しかも雪状で柔らかいので魚体を傷つけません。これまで冷凍でしか運べなかった距離を高鮮度保持したままチルドでゆっくり運ぶことができるので、商品価値が落ちない上、通常の氷よりも軽いため輸送コストも削減できます。

―製品開発のきっかけは?
日本では毎日大量の食品が食べられずに廃棄されています。この食品ロスをなくしたいという想いが事業の出発点です。また、地方の水産業の衰退を何とかしたいという想いを持って集まったメンバーもいます。私も、嬬恋のレタス農家が価格下落を防ぐために出荷できないレタスを大量に廃棄していることを知ったときは衝撃を受けました。生産者の努力を無駄にしてはいけないと思いますし、そのために当社の製品を役立てたいですね。

案件化調査でモロッコへ

sea snowができる様子

―なぜJICAの案件化調査に応募を決めたのですか?
国内で事業連携している企業からJICAの中小企業海外展開支援事業を紹介されたのがきっかけです。中東やヨーロッパに近く、マーケットとして将来性のあるモロッコを調査地に選びました。

―調査終了後の展望は?
JICAの中小企業海外展開支援事業の普及・実証事業を利用して、モロッコの漁港や市場に製品を設置し実証事業を行いたいと考えています。また、その後は現地のレストランやスーパーでも使ってもらえるようにしたいですね。モロッコ国内だけでなく、ヨーロッパからの需要も見込めると考えています。

―日本の課題を解決したいという想いとアイデア、そしてそれを可能にする技術が集まってできたMARS Company。今回の調査を通じてその想いが海を越える日がぐっと近づきそうです。


国内事業部中小企業支援調査課 横井