【報告】草の根技術協力 (ブラジル)の日系農業協同組合がその活動を認められ、現地で受賞【草の根技術協力】

2014年12月17日

2014年11月、ブラジルアマゾンで東京農工大学が実施しているJICA草の根技術協力事業において、カウンターパートを務める日系農業協同組合CAMTAがブラジル調査・研究事業融資機構(FINEP)より社会技術部門の優秀賞を受賞しました!

受賞式でトロフィーを受け取るCAMTAの松崎理事とDinaldo Santos氏

東京農工大学は平成23年11月よりブラジルで「日系遷移型アグロフォレストリー普及認証計画」に取り組んでいます。
このプロジェクトは、本学とカウンターパートであるCAMTA*が、日系遷移型アグロフォレストリー農法(SAFTA)を普及させることと、生産物の需要量と生産者還元利益を向上させるための認証制度を確立することを目標としています。
2014年11月、CAMTAがその普及活動を認められ、FINEP**技術イノベーション賞社会技術部門の優秀賞を受賞しました。

*CAMTA – トメアスー総合農業協同組合(Cooperativa Agrícola Mista de Tomé-Açu)
**FINEP‐ブラジル科学技術省の所管法人

日系人が開発したアグロフォレストリー農法「SAFTA」

実証圃場での苗の植え付け(エスペジット・ヒベイロ)

「アグロフォレストリー」とは農業を意味する「アグリカルチャー」と林業を意味する「フォレストリー」の合成語で、樹木を植栽し、その樹間で農作物を栽培する農林業のことを言います。生産活動と森林保全を両立させ、安定した農村雇用を創り出す方法として、世界でも注目されつつあります。
ブラジルパラー州、アマゾン下流に近いトメアスーでは、入植以来80年にわたって日系農業者が試行錯誤を繰り返しつつ、この農法をその土地と気候に合った持続的農業生産方式として開発してきました。

東京農工大学とCAMTAが取り組むSAFTA技術移転

植え付け1年後の実証圃場(エスペジット・ヒベイロ)

東京農工大学はCAMTAと協力し、定着農業であるSAFTAの技術移転および普及活動を行っています。普及方法は下記の3点が軸となります:

【1】集落実証圃場 
最初のステップとして、農民がSAFTAを参加型で学べるための実証圃場を設置してきました。SAFTAの普及には農民の協力が不可欠なので、事前に農民と共通認識を構築する事が重要です。
実証圃場には苗畑と灌漑用の井戸も設置。苗畑面積は参加農民数に比例し、1家族あたり1,000本の苗が生産できるよう設計しました。余分な苗は集落で販売し、売上げを施設の維持費等に充てています。
実証圃場は小農家が容易に管理出来るよう、CAMTAで考案した簡易モデルに準じ、資材コストを最小限に抑える為、集落内で発生する廃材や間伐材を植物を支える支柱等に利用しています。

【2】家族向け持続型圃場 
現地の小規模な農民が活動を持続していくための圃場で、実証圃場の延長であり、それぞれの農民の土地に0.25ha程の生産圃場を設けます。使用する苗の一部は実証農場の苗畑で生産されます。

【3】CAMTAによる技術指導 
圃場や苗を農民に与えるだけでなく、SAFTA導入時に集落の毎週の共同作業日を設定し、CAMTAの専門家が共同作業日に合わせて定期的に圃場を訪問し、評価と技術指導を行っています。
また、年間を通して農民と共に計画を練り、コミュニティーの経済的自立へ向けた支援を行っています。

次なるステップへ

実証圃場で指導を行うDinaldo Santos氏(サン・ブラス)

今回のCAMTAの受賞は、現地におけるこれからの普及活動の持続・発展に対する励ましとなり、さらなる啓発・普及が期待されます。東京農工大学は、さらなるSAFTA発展への技術協力を行うと共に、次なるステップとして、農村所得向上を目的とした生産物の認証制度確立に向け、支援を行っています。




東京農工大学 プロジェクトマネージャー補佐 梅村誠 エリオ