【報告】草の根技術協力事業 タイ浄水場維持管理能力向上研修を埼玉県企業局が実施【草の根技術協力】

2015年1月13日

11月24日から12月5日まで、タイにおける浄水場の維持管理能力向上のため、埼玉県企業局がJICA草の根技術協力事業により研修員を埼玉県に招聘し、研修を行いました。

埼玉県企業局による草の根技術協力事業

埼玉県新三郷浄水場での施設見学

タイでは、急速な人口増加、都市化による水道水の供給不足が問題となっています。また地下水の過剰な汲み上げによる地盤沈下が発生していることから河川水への水源依存が高まっています。タイの浄水場は、日本国と同様の処理システムを有しているにも関わらず、職員の知識や技術力が不足していることから、施設の持つ能力を十分に発揮することができずに運転・維持管理、水質管理などで多くの問題を抱えています。
 埼玉県企業局は、河川水を水源とした水処理技術や、原水有効利用率が99.4%となっている省水技術について、高水準のノウハウを有しています。これらの知見をタイ地方水道公社職員に移転することにより、タイにおける浄水場施設の健全な運転、維持管理、良質な水の供給を実現させるように取り組んでいます。

埼玉県における研修の模様

埼玉県水質管理センターでの実習

今般は11月24日から12月5日まで、タイ地方水道公社の8名の管理者・技術者が来日し、6名は水道事業全般の研修、2名は水質管理に特化した研修を受けました。
水道事業全般の研修の一環として、埼玉県三郷市にある埼玉県新三郷浄水場では、オゾンと生物活性炭を用いた浄水方法について説明を受けた後、実際に浄水を行っている施設見学を行いました。施設の各部署で行われる説明に、研修員の方々が熱心に耳を傾けていました。
また水質管理研修は、埼玉県行田市にある埼玉県行田浄水場及び埼玉県水質管理センターにて行われ、実際に行われている水質管理の体験をしつつ、塩素処理では原水の状況によって注入する塩素量をどのように変えていくのなどを学びました。

タイでの成果発現に期待

研修を終えて

閉講式では、研修で学んだことと今後自身が取り組んでいくことの発表が行われました。研修を通じて、浄水場の運営管理について明確な手順書があること、効率的な塩素処理がなされていること、施設・機材を定期的に点検していること、また職員の意識の高さや職場の整理整頓など、多くの気付きがあり参考とすべき点を吸収されたことがうかがわれました。
埼玉県の浄水場と同様の状況をタイで実現することは中長期的な取り組みになるものの、施設運営の見直しや塩素注入量の調整など、すぐに取り組める学びも得た研修員の方々が、タイの浄水場現場において自分から改善に取り組まれることに期待したいと思います。


JICA埼玉デスク 中野 / JICA東京地域連携課 増井