教師海外研修(教員コース)参加教員の授業実践レポート(埼玉編)【開発教育支援事業】

2015年3月16日

埼玉県からJICA教師海外研修に参加した4名の教員が、8月に訪問したエルサルバドルを題材とした国際理解の授業を実施しました。また、2月8日に開催された「グローバルセミナー2015 (JICA教師海外研修埼玉県報告会)」にて、授業実践について報告いただきました。

川越市立今成小学校 今井奈央子教諭

【画像】今井奈央子教諭は、小学校4年生を対象に、4時間の道徳の授業を2クラス合同で行いました。
3回目の授業では、エルサルバドルで撮影した写真をスライドにして、テーマごとに児童に見せ感想を聞いていきました。主なテーマは、住宅、自然、食べ物、人々、日本とのつながり、自動車、小学校、子供の遊びなど、児童が身近に感じるものでした。そして授業の後半では、「エルサルバドルの小学生に手紙を書こう」というテーマで、児童一人ひとりが手紙を書き発表しました。
最後の4回目の授業では、エルサルバドルで日本の専門家が指導している「一村一品運動」が地域の特長を生かした活動であることを紹介し、自分たちの住む地域や友達のよい所を探す活動を行いました。
授業をとおして日本とエルサルバドルのつながりを知り、異文化への関心を高めるとともに、自分たちの生活についても振り返る機会となったようです。

川口市立飯塚小学校 樋地香奈子教諭

【画像】樋地教諭は、小学校6年生を対象に、「世界に目を向けて〜これからあなたも世界市民〜」と題した5時間の総合的な学習の時間・道徳・社会での授業を実施しました。
総合的な学習の授業ではまず、エルサルバドルで撮影した写真を班ごとに配布しました。配布した写真は班ごとに異なり、その写真を見て日本とエルサルバドルとの共通点、相違点、疑問点、予想・推測を班の中で考え、付箋に記入します。続いて他の班の場所に移動し、他の班の付箋の内容を確認するとともに、新たな考えを付け加えました。生徒は写真から気づいたことをもとに、エルサルバドルが抱える問題について考え、意見を交換しました。
また道徳の授業では、エルサルバドルの小学校6年生にとった「幸せ」に関するアンケートを示し、クラスの児童の回答と比べながら、エルサルバドルと日本の児童が感じている幸せについて考えました。エルサルバドルの生徒の回答の中には、「学校で勉強ができるから」というものもあり、児童はお互いの結果を見比べながら、幸せの価値観が多様であることに驚き、また、教育を受けることの大切さを認識しました。

宮代町立須賀小学校 柿沼秀典教諭

【画像】柿沼教諭は、小学校6年生を対象に、「ともに生きる〜われら地球人〜」と題した、総合的な学習の時間、道徳、社会での7時間の授業を実施しました。
社会の授業では、身近にある食べ物が、日本が輸入していて世界の様々な国で生産されたものであること、実は十分に食事ができない開発途上国からも輸入していること、そして飛行機や船を食料品の輸入に使うことが、世界の環境問題と関係していることについてグループワークを通し、児童が主体的に考えていきました。
最後に柿沼教諭は、東日本大震災で日本が開発途上国からも支援を受けたことを説明し、児童は世界が相互につながっていることを理解しました。

所沢市立北野中学校 山口翠教諭

【画像】山口教諭は、中学2年生を対象に、「断ち切ろう 負の連鎖」と題した7時間の地理的分野での授業を実施しました。
4回目の授業では、JICA作成の「国際理解教育実践資料集」を活用し、途上国に文字が読めない人がいる理由を「学校に通えないため」と捉え、そのことにつながる12の原因が書かれたカードの関係を、生徒がグループで考えながら負の連鎖の図を組み立てる活動を行いました。
その後、「負の連鎖のどこを断ち切れば、学校に通えない状態を解決できるか」をグループで考え、発表が行われました。負の連鎖を断ち切る策については、「学校で給食を配る」「学校にボランティアの教師を派遣する」「医者を派遣する」活発な話し合いや多くの考えが出ていました。
山口教諭は最後に、負の連鎖を断ち切る活動をしている組織の一つとしてJICAを紹介し、5回目の授業では青年海外協力隊など、世界で活躍する日本人について紹介しました。

授業で行ったことを埼玉に

【画像】2月8日に、北浦和カルタスホールにおいて埼玉国際協力協議会、埼玉県国際交流協会、JICA東京の3者主催でグローバルセミナー2015を開催し、セミナーの中で、4名の教員による授業実践報告会を行いました。   
報告会では、授業でも行った教育が受けられず文字が読めないとどうなるかの体験、教育が受けられないことで起こる影響を考えるグループワーク、教育が受けられない悪影響を断ち切る方法を考えるグループディスカッションを行いました。
 また、エルサルバドルで活躍するJICAボランティアや専門家の活動紹介を行いました。最後に研修に参加した山口教諭からは「今後も子どもたちへの種まきを実践していきたい」と話がありました。
 参加された方々からは「自分の授業改善の参考になった」「単なる報告ではなく工夫があり大変よかった」などの感想を頂きました。
 教師海外研修に埼玉から参加した4名の先生方の今後の活躍に期待しています。


JICA東京埼玉デスク 中野