【草の根技術協力事業報告】ブラジル教育支援研修を埼玉県教育委員会が実施【草の根技術協力】

2015年6月9日

5月23日から5月29日まで、ブラジルの教育支援のため、埼玉県教育委員会がJICA草の根技術協力事業で研修員を埼玉県に招聘し、研修を行いました。

埼玉県教育委員会による草の根技術協力事業

埼玉県立総合教育センターでの研修

ブラジルでは経済面での発展が進む一方、社会から疎外されてしまっている貧困地域の人々の社会参画が深刻な問題となっています。とりわけ子どもたちの教育に関し、基礎的な学力を身に付けさせること、暴力や薬物を逃れ豊かな人間性を育むこと、社会人となるための職業訓練を行うこと、などが課題です。

埼玉県教育委員会は、2012年からJICAと連携して草の根技術協力事業「リオデジャネイロ市の貧困地域に暮らす子どもたちへの教育支援事業」(第1期)を実施し、子どもたちの表現力の向上を図ることで、円滑なコミュニケーションを促し、相互に協力して集団活動が実施できるなどの社会性を育成するための支援を行いました。2014年には第2期として草の根技術協力事業「社会教育活動施設の子供たちへの教育支援〜指導者の資質向上を目指して〜」を開始し、対象地域を拡大して指導者の資質向上に取り組んでいます。

日本の教育を学ぶ、日本の子どもたちがブラジルを知る

行田市立太田西小学校で「TOMODACHI KARUTA」

今般来日したブラジルの教育関係機関の幹部3名は、埼玉県における教育実践や教員育成研修について講義を受けました。また5月26日に行田市立太田西小学校、5月28日に埼玉県立鴻巣女子高等学校を訪問し、日本の学校教育について視察しました。

行田市立太田西小学校では、国語、算数、理科、音楽等の授業見学に加えて、「TOMODACHI KARUTA活動」を児童とともに行いました。「TOMODACHI KARUTA」とは、第1期の協力事業の中で作成されたもので、日本語とポルトガル語のカードがペアとなり、あいさつ、生活、健康衛生、自然、食べ物に関する50の言葉とメッセージから構成されています。この活動を通して、児童と研修員の距離が縮まり、子供たちの国際理解にもつながったようでした。児童からの感想では「ブラジルの人とカルタが出来て嬉しかった」「ポルトガル語をたくさん知ることが出来た」と話してくれました。

鴻巣女子高校でブラジルについて講義

埼玉県立鴻巣女子高等学校では、学校の説明や部活動の発表、保育科による絵本の読み聞かせや手遊び等の実演が行われ、ブラジルでの幼児教育や情操教育に活かせるアイディアを見つけました。日本のことを学ぶだけでなく、研修員は同校生徒に対してブラジルについての講義を行いました。生徒たちは講義に真剣に耳を傾け、「活動で大変なことは何ですか」「私たちができることは何ですか」と質問も多く出ました。

プロジェクトの今後の展開に期待

閉講式

5月29日に行われた評価会・閉講式では、一週間の研修の報告が行われ、研修員は「今回の研修で得た知識をブラジルで応用し活用していきたい」「研修を通して、教育に対するお互いの理想について学び合うことが出来た」「ブラジルの同僚にも、今回の研修で学んだことを伝えていきたい」と述べ、今後の活動に意欲を見せました。

この研修期間を通じて、埼玉側・ブラジル側の相互の理解が深まり、今後の取り組みについて様々な意見交換がなされました。今回の研修員が牽引役となり、埼玉県の教育関係者が技術支援を行い、ブラジルの社会教育活動施設における教育内容が充実していくよう、今後の展開に期待したいと思います。


JICA東京地域連携課 増井、JICA埼玉デスク 中野