草の根技術協力事業 タイ浄水場維持管理能力向上研修を埼玉【草の根技術協力】

2016年1月6日

11月24日から12月4日までタイにおける浄水場の維持管理能力向上のため、埼玉県企業局がJICA草の根技術協力により研修員を埼玉県に招聘し、研修を行いました。

埼玉県企業局による草の根技術協力事業

タイ王国では、急速な人口増加、都市化による水道水の供給不足や地下水の過剰なくみ上げによる地盤沈下が発生していることから、河川水の水源依存が高まっています。このような状態のなか、タイ王国の浄水場は、日本国と同様の処理システムを有しているにも拘わらず、浄水場職員の知識、技術力が不足していることから、施設の持つ能力を十分に発揮することができずに運転・維持管理、水質管理などで多くの問題を抱えています。
 埼玉県企業局は、河川水を水源とした水処理技術や、原水有効率99.4%となっている省水技術について、高水準のノウハウを有しています。これらの知見をタイ地方水道公社職員に移転することにより、タイにおける浄水場施設の健全な運転、維持管理、良質な水の供給を実現させるように取り組んでいます。

埼玉県における研修の模様

大久保浄水場で「運転管理・維持管理」説明を受ける

今回の埼玉県での研修では、11月24日から12月4日まで、タイ地方水道公社の8名の技術者が来日し、水道事業全般・水質管理・漏水探知法・硬度処理技術等、また、埼玉県の水関係の中小企業の製品について学びました。
県内の視察先の一つである大久保浄水場では、水質管理・運営に係るシステム紹介や、設備概要、修繕計画などに関する説明を受けた後、浄水場内の見学を行い、実際の運営現場や水質管理の様子を目の当たりにする事で、浄水場管理のための能力維持・向上のノウハウを学びました。
 大久保浄水場で研修が行われた日は、富士山が顔を覗かせていて、研修員たちは、初めて見る富士山と山頂に積もった雪に感動していました。

研修の成果発表会

成果発表会を終えて

研修最終日では、これまでの埼玉県での研修を踏まえ、帰国後にどのような改善方策やアクションを取って行くのか、に付き、研修員一人一人から報告を受けました。研修員からは、「埼玉県で紹介された漏水探知機がタイにも代理店がある事が分かったので、是非現地でコンタクトし導入したい。」、「水質分析の回数を増やす必要性を痛感した。」、「水処理の薬品の調合は、今迄原水に係らず一定であったが、原水の性質によって変更する必要性が判った。」、「水処理関係の機器の日々のメンテナンスの重要性が判った。」等、帰国後、直ぐにでも実施でき、持続性のあるアクションが数多く提案されました。

 今年度で本草の根技術協力は3年間の協力機関は終了しますが、埼玉県で研修を受けた今回の研修員達からは、草の根協力終了後もオーナーシップを持って、タイ国地方での上水事業の改善に努めて行く決意と熱意を強く感じました。今回提案された数々のアクションを、帰国後に実施してくれる事を期待しています。





埼玉県国際協力推進員 廣瀬
JICA東京地域連携課 佐藤