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【草の根技術協力事業 地域活性化特別枠】「官民一体となったタイ王国への下水道技術の支援」の本邦研修を実施【草の根技術協力】

2016年10月31日

埼玉県の下水道管理に学ぶ

タイ下水道公社(WMA)から職員5名が研修員として来日しました。
研修員たちは10月10日から10月22日まで2週間、埼玉県下水道局の処理施設などで研修を受けました。

本草の根技術協力事業では、下水道維持管理技術者を育成し、タイ国内の下水処理場が適切に運営・管理されることを目指しています。また、タイ政府・自治体・住民の下水道に対する意識を向上させるため、下水道普及啓発の仕組みを構築していきます。

研修の一部に同行した際の様子をお届けします。

埼玉県新河岸川水循環センター研修

写真1

埼玉県和光市にある同施設は昭和56年4月から処理を開始し、1日に平均50万7,000立方メートル(平成25年度実績)の汚水を処理しています。

各家庭や事業所から排出された汚水は地下に張り巡らされた管渠を伝って下水処理場へ運ばれ、様々な処理を経て河川へ放流されます。
河川へ放流するので環境基準を満たすための厳しいチェックも行われます。
そのため管理システムの構築と、その運営・維持の必要性は高いものとなります。漏水の阻止、住環境への影響の軽減、自然環境への負担軽減など下水道処理は一時たりとも停止することなく、24時間365日私たちの生活を支えています。

写真1:施設内視察前に講義を受ける研修員たち。下水の処理方法や、管渠の維持管理について学びました。

下水道処理のウラ側 

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

研修員たちは管制室の視察や、管渠の保守作業のデモンストレーションを通して、維持・管理方法やその運営方法を学びます。
タイでは、1990年代から下水処理場が建設・供用されてきましたが、その施設を適正に運用する技術者が不足しているために、技術者の育成と適切な維持管理技術による運転管理が急務であるとされています。

40年以上の実績を持つ埼玉県下水道局の維持管理技術は、研修員たちにとっても多くの学びが得られるものです。熱心にメモを取ったり写真を撮る研修員たちからは、タイ国の課題解決へ取り組む真摯な姿勢や本研修への強い思い入れがうかがえました。

研修員の一人は、タイと日本の処理施設の違いや双方の抱える課題などについて、施設職員と意見交換を積極的に行って疑問を一つずつ解消し、タイ帰国後には各処理場の課題や問題点を見出し、本邦研修で学んだことを生かして問題解決に取り組みたいと熱く語っていました。

研修員たちは、2週間と短期間ながらも日本での研修に意欲的に参加し、各施設での講義に真剣に取り組んでいました。
成長著しいタイ国においても、下水道は住民の生活を24時間支える重要なインフラであり、その整備と適正な運営が必要不可欠です。

研修員の皆さんには、今回の日本での研修成果を十分に活かして、同国の下水道の普及促進と維持管理技術者の育成に寄与していただくことを期待しています。


写真2:管制室の様子。流入水量、天気の動向などを24時間体制で監視している説明を受けました。
写真3:トイレの配管詰まりを啓発する機器を体験する研修員たち。ティッシュペーパーを流す管(左)とトイレットペーパーを流す管(右)の水の流れを比較し、左では紙が溶けずに管内で滞留する様子を視覚的に説明しています。
写真4:管渠保守作業デモンストレーションを視察している様子。十分に安全を確保して作業を行います。
写真5:装備をした職員が管渠の中に入り込む様子。
写真6:下水処理施設に流入する水量を量る機器の説明を受けました。

研修評価会・修了式

写真7

最終日の研修評価会の席上、研修員たちからは、今回の研修で学んだポイントとして、下水道料金の徴収に際して市民の理解を得ることの重要性や、下水道維持管理技術者育成のための研修方法などが挙げられました。また、次回以降の研修への希望として、水質検査技師やシステム管理技術者など対象としたより専門性の高いプログラムの検討が提案されました。
最後に研修員全員が研修修了証書を受け取り、一同笑顔で記念撮影とあいなりました。


写真7:研修評価会・修了式を終えて記念撮影




JICA埼玉デスク 廣瀬