青年海外協力隊OBが大宮アルディージャ U12コーチに就任【海外ボランティア派遣】

2017年3月13日

ラオスと大宮をつなぐ“波紋”

2017年1月までラオスでサッカー指導に携わっていた青年海外協力隊・遠藤竜助さんが大宮アルディージャのU-12ジュニアサッカーコーチに就任しました。
就任後すぐ、2月下旬にはラオスからユース選手が招聘され、選抜で選ばれた3選手とコーチ1名が大宮アルディージャユースの練習に参加しました。遠藤さんは堪能なラオ語で選手たちの通訳として大活躍。今回はその練習の様子などをお届けします。

平均気温差20度 燃える闘志

練習前にラオ語で指示を出す遠藤さん(左2人目)

ポゼッションの練習(手前がラオス人選手)

激しい練習に息を切らす選手たち

NTT東日本志木総合グラウンドに集まったユースチームの練習は夕方から始まりました。
 ラオス人選手たちも加わり、遠藤さんの通訳を介して指示を受けます。
 日本人選手に交ざりながらパス練習、ボール回し、ポゼッション練習、ランニング、ミニゲームなどをこなしていきます。遠藤さんもなるべく選手の近くに寄り、時にはダッシュで駆け寄り指示やアドバイスを与えていきます。
しかし2月の平均最高気温が30度を超える首都・ビエンチャンと違い、埼玉は10度を下回るため選手たちは慣れない寒さとも戦わねばなりませんでした。
苦しい表情を見せるたびに遠藤さんが「大丈夫か」と声を掛けますが、「まだ大丈夫!」と、ゆったりと言われるラオス人気質とは正反対の、闘志剥き出しの姿勢で果敢にボールを追いかけました。同行したラオス人コーチも、「こんなに必死な姿勢を見た事がありません。とても良い刺激を受けているようです。」と驚いた様子でした。
 約2時間のメニューをこなした選手たちは息を切らしながらも充実した表情を見せていました。短い滞在期間の中で、大きな成長が期待できる姿でした。

世界に遠藤の波紋を広げて来い

遠藤さんは平成26(2014)年度3次隊のサッカー職種ボランティアとして、ラオスサッカー協会に所属して同国ユース世代の育成に携わりました。
 中学校の教員だった遠藤さんは、自身が中学生の時、海外の日本人学校での勤務経験を持つの恩師から大きな刺激を受け、自分もいつしか海外で働いてみたいと思いを馳せていました。そして地元サッカークラブのジュニアユースに所属し、さらに高校、大学でもサッカーに打ち込みました。自然とサッカーやJリーグに対する思いが強くなる中、海外への想いも変わらず募らせていったのです。
 教員として中学3年生を受け持っていた頃「協力隊を目指すなら今年のタイミングしかない」と考え、当時の恩師に青年海外協力隊の応募を相談したところ、「石を水面に投げて波紋が広がるように、自分が行動を起こし、事がうまく運んでいったら行ってみると良い。その時は世界に遠藤の波紋を広げて来い」と背中を押され、決意を胸に青年海外協力隊に応募、見事に合格してラオスへ旅立ったのでした。

波紋はラオスで広がる

ラオスでの大宮アルディージャのサッカー教室(中央が遠藤さん)

遠藤さん達がラオスで開催したサッカー教室にて

2015年1月にラオスの土を踏んだ遠藤さんは、ラオスサッカー協会に所属してユース世代や子どもたちへのサッカー指導に携わりました。ラオスはFIFAランキング173位/205団体(2017年3月9日現在)と成長途上にあり、2020年東京五輪へ出場するには現在のU19世代の育成が急務の課題です。遠藤さんにはラオスサッカー協会からの期待が自ずと寄せられます。
ちょうどその頃、ラオスでサッカー教室を開催していたのが大宮アルディージャでした。ラオスの子どもたちへのサッカー指導に携わっていた遠藤さんもアルディージャのサッカー教室を手伝うようになり、両者はお互いに思い入れのある存在となったのです。
 任期が終わり、帰国後の進路を考えていた遠藤さんへラブコールを送ったのは大宮アルディージャでした。
 大宮アルディージャ育成普及本部長・岡本武行さんは「コーチを探していた時期に、遠藤さんが帰国すると聞き、声を掛けて面接を受けて頂きました。青年海外協力隊としての活動も知っていたし、なにより人間性が良かったので、うちに来てもらえて良かったです。海外に詳しいスタッフがいるのは、クラブとしても強みになります。」と採用理由をお話下さいました。

新しい波紋を広げる 

遠藤さん(左)、選手、コーチの集合写真
NTT東日本志木総合グラウンドにて

大宮アルディージャのU12コーチに着任後は、主に、各年代へのスクールコーチやサッカーキャラバンなどを通した子どもたちへのサッカー指導に加え、そしてサッカーの楽しさを知ってもらうために日々活躍しています。こうして、2月下旬にラオスから選手3名とコーチを招聘した大宮アルディージャから、遠藤さんはラオ語通訳として任命されました。

 現在の仕事について遠藤さんは「帰国後は教員に戻る選択肢もあったのですが、大好きなサッカーとラオスに一度に関われるのはとても幸せです。次は、広げた波紋をどうやって別の所で広げるかを考えていきます。サッカー教室などでラオスの事を話すと質問がたくさん返って来るんですよ。ラオスとアルディージャ両方の経験を色んな方に伝えたいですし、そのためにも今出来ることをしっかりとがんばりたいと思います。」と抱負を語りました。

 青年海外協力隊としてラオスで活躍した経験をフル活用して、大宮アルディージャそしてラオスの発展のためにがんばってください!


JICA埼玉デスク 廣瀬