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【草の根技術協力事業 地域活性化特別枠】マレーシア下水道公社の下水処理・水質管理技術者8名を招へいし研修を実施しました。

7月3日(月)から7月21日(金)まで3週間にわたり、東京都下水道サービス(株)が東京都下水道局の施設で研修を行いました。この研修は、マレーシアの下水処理場の運転・維持管理の人材育成プロジェクトの一環で行われました。

2017年8月2日

事業の背景と概要

オペレーションセンター

首都クアラルンプール郊外では、宅地開発が活発に進められた結果、小規模な下水処理場が多数散在しています。施設の維持管理が十分に行われていないため、処理場からの放流水によりクアラルンプール周辺の水源である河川の水質が悪化しています。解決策として、小規模下水処理場を統廃合し、大規模な処理場に集約化するプロジェクトが首都郊外のランガット地区で進められています。

放流前に塩素消毒をします。

このプロジェクトで建設される新規下水処理場は、マレーシアでは初めてとなる日本及び東京の技術を採用することとなり、コンパクト化と処理水質基準を同時に満たす処理場となっています。新規処理場の運転・維持管理能力を学び、研修員たちがトレーナーとなりマレーシアの水処理技術者に技術移転することを目指します。

中野水再生センターで、沈殿池および汚水調整池の運転管理と保全の点検実習

機材の振動を音聴棒で確認

7月6日(木)中野水再生センターで運転管理と保全の点検実習が行われました。
中野水再生センターは、汚水が処理される沈殿池の増設工事が終了し、実際に地下10mの沈殿池に安全ベルトを着用して降りていく貴重な体験となりました。この池で数時間かけてゆっくりと水が再生する仕組みを学びました。研修員からは多様な質問があり、マレーシアと東京の処理方法の異なる点や沈殿池の構造内部の質問が多数ありました。
当センターには、地域の小学校が描いた絵が何枚も置いてあります。研修員はそれを見て、「大変いいアイディアだ。小学生が我々の処理場について勉強してもらうようこの絵のアイディアを持ち帰る。」と話してくれたことが印象的でした。

研修員も音聴棒で実習体験

工事が終了した沈殿池では「コンクリートの仕上げが大変美しい。日本人はここまで丁寧に仕事をしている。マレーシアではこのような仕上がりは見たことがない。」等のコメントを、沈殿池の説明している日本側の職員に熱く語っていました。
視察した沈殿池は1月に試運転を行う予定となっています。

地下10Mの反応槽

本研修では、東京都下水道局中野水再生センターをはじめ、葛西水再生センター、砂町水再生センター、下水道技術実習センター、東部スラッジプラント、森ヶ崎水再生センター等で講義、実習の研修を行いました。

中小企業との意見交換会

実際に水処理している反応槽

7月14日(金)国内の検査機器メーカーとの意見交換会が開催されました。日本企業から研修員に、各社の機材の特性についてプレゼンテーションを実施し、その後意見交換会を行いました。研修員からは機材の現地環境での適応性やメンテナンスについて活発な質問があり、マレーシアでの活用について検討が行われました。
ご協力いただいた企業は4社です。

ガス検知器についてプレゼン:株式会社イチネンジコー

1.株式会社イチネンジコー「ガス検知器」

アンモニア計についてプレゼン:セントラル科学株式会社

2.セントラル科学株式会社「アンモニア計」

水質測定器についてプレゼン:東亜ディーケーケー株式会社

3.東亜ディーケーケー株式会社「水質測定器:HACH製品」

「振動計」についてのプレゼン:リオン株式会社

4.リオン株式会社「振動計」

プレゼンテーション後、実際に機材を手に取りながら、自国で使用されている機材との違いなど意見交換がされました。特に、検査したデータの集約技術や計測方法など、簡易でかつ精度の高い計測が可能な日本の技術に関心が多く寄せられました。
この機会で得た4社の情報をマレーシアに持ち帰り、日本製品の品質の良さ等をマレーシアで共有し、活用を考えていただきたいと思います。

報告会が開催されました。

7月21日、研修最終日に達成度試験が行われ、8名全員が合格ラインを上回りました。
本研修の成果を報告会で発表しました。最後にJICA東京から修了証書が授与されました。



TIC 市民参加協力グループ 千葉・後藤