ベトナムから見える開発と国際協力(教師海外研修ベトナムコース)【開発教育支援事業】

今年度、教師海外研修に参加した13名の先生がベトナムで国際協力の現場を体感してきました。研修の様子を紹介します。

2017年8月17日

【ベトナムは日本のパートナー】

ベトナム事務所にて

ベトナム社会主義共和国は東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義共和制の国です。ASEANトップクラスの経済成長を見せるベトナムですが、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。バイク、フォー、お米、のどかな田園風景などが思い浮かぶかもしれませんが、ハノイに降り立った先生たちのイメージは大きく変わりました。
日本はベトナムにとって最大の援助国であり、日本のODAにより建設された道路や橋を始め、教育・医療施設の改修・改善や人材育成など様々な分野でベトナムの発展に大きく寄与しています。それに加え、質の高い日本製品のイメージがあり親日感情を持っている方が多くいます。順調な経済成長を継続し、中所得国となったベトナムには日本の企業も注目し、同国への進出も急増しています。
知っているようであまり知られていないベトナムですが、勤勉な国民性や日本人に合う食文化等、実はとても親しみやすい国ではないかと感じました。

【ベトナムでの国際協力現場を視察】

ワクチン製造現場で説明をうける参加者

ベトナムでは2011年に風疹が爆発的に流行し、特に妊産婦・新生児へ深刻な影響が出ることから風疹ワクチンの安定供給が課題となりました。今回は無償資金協力で建設された麻疹ワクチン製造施設を活用し、麻疹風疹混合ワクチン製造技術の支援を行っている現場を訪ねました。防塵服を身にまとい工場を見学させていただきながら、専門家よりお話を伺いました。そこには、麻疹風疹の罹患数を減少させるために適切な技術供与を行い、ワクチンについての科学的検討はもちろん、コスト面でも配慮し、ワクチン製造を持続的なものとするため尽力している日本人の姿がありました。また、ベトナムでは副作用を恐れ、ワクチン接種率が低下していましたが、安心できる日本の技術という認識もあり市民への意識は変わりつつあるようでした。

篠田隊員の発表

青年海外協力隊の配属先であるトゥイアン障害者リハビリテーションセンターへも訪問しました。ベトナムは特別支援学校が少なく、学校教育を受けられない障害のある子どもが多いと言われています。このセンターでは、近年、自閉症の利用者が増えたことにより、彼らに特化した支援方法が求められています。障害児・者支援の活動をしている篠田隊員は自閉症児を対象に、自立活動・日常生活や遊びの指導に携わっています。また、同僚に障害児教育に関する知識や指導技術を紹介し、知識・技術の向上を図っています。篠田隊員は「異文化の中で新しいことを伝えるということは難しいことではあるが、同僚や子どもと楽しさを共有できることやありがとうと言われることが最高の喜びです。」と語り、先生たちは異国で奮闘する隊員の姿に感銘を受けていました。

【ベトナムの教育現場】

美術の授業を見学

今回の研修では教育現場として私立グエンシウ中学校と、公立チュウバンアン小学校を視察に行きました。どちらの学校も手厚く歓迎してくださり、お互い笑顔が絶えない視察となりました。先生たちはは自分の学校と比較しながら授業見学や意見交換に臨んでいました。ベトナムの子どもたちのパワーに驚きながらの視察はかなり刺激的であったようです。キラキラと目を輝かせて学ぶ子どもたちを目の当たりにし、日本の教育についても改めて考えさせられる機会となりました。

この研修を通し、先生たちはたくさんの「力」を感じたようです。それは「変わりたいと願うベトナム人の力」であり、「支えたい、協力したいと行動する日本人の力」でもありました。また、幸せの形について言及する先生も多く、「幸せとは何か」、「人々の幸せにつながる協力の方法とは」といった根源的な問いをを考えさせられる経験になりました。

今回の研修では、多くの情報を見聞きし、数えきれないほどの学びがありました。今度は、先生たちがそれを授業に活かし、子どもたちに伝える番です。どのような授業になるのか、今後の授業実践が非常に楽しみです。先生たちの授業の様子は随時リポートしていきますのでご注目ください!


事業・研修の概要
開催日・期間 2017年7月26日(水)〜8月4日(金)
タイトル:2017年度 教師海外研修 ベトナムコース
訪問国:ベトナム
人数:教員13名、JICA同行者3名

報告者 JICA群馬デスク 国際協力推進員 関根崇
【E-mail】gunma-desk_sekine@friends.jica.go.jp 【TEL】027-243-7271