【研修レポート】鹿島臨海工業地帯訪問~開発の歴史・現在の取組を学びに~

2019年2月25日

世界12か国から来日した投資促進庁の職員ら16名が、鹿島港エリアを視察、県職員や施設関係者とも交流し、自国の経済特区・工業団地開発への適用可能性を模索しました。

【参加国】:バングラデシュ、カンボジア、ジョージア、インドネシア、カザフスタン、ラオス、ミャンマー、パキスタン、パプアニューギニア、スリランカ、タイ、ウズベキスタン

研修の背景

【画像】JICA東京では、国の経済発展のために外国直接投資の誘致に取り組む途上国を支援するために「投資促進のための経済特区開発・工業団地開発」という研修を実施しています。

外国直接投資は、資金だけでなく新たな技術やサプライチェーンの取り込みを可能にすることから、投資誘致を進める事は多くの途上国にとって重要な政策課題となっています。一方で、多くの途上国が誘致に積極的であるため、各国はそれぞれの国情を踏まえた差別化を図るなど、政策を工夫する必要に迫られています。

そうした課題に取組む途上国から、今回は12か国16名の研修員が来日し、投資誘致の手法の一つである経済特区開発・工業団地開発について、方法論を学び、また実際の様子を視察するため鹿島臨海工業地帯を訪問しました

鹿島臨海工業地帯を視察

鹿島はかつて、生産性の低い砂丘地帯の農業もしくは漁業が経済の中心であり、商工業が未発展の後進地域でした。しかし、広大な平地と霞ケ浦の豊かな水資源に着目した県は1961年より「鹿島臨海工業地帯造成計画」をスタートし、この開発計画によって鹿島は一大工業地帯へと発展していきました。

自国の発展のため、経済特区開発・工業団地開発に従事している各国の研修員にとって、こうした鹿島開発の経験は大変興味深く、特に、開発過程で県が解決しなくてはならなかった課題、例えば、用地買収における地域住民との地道な交渉や、タンカーの大型化に対応するための港開発計画の度々の見直し、また企業誘致の取り組みなどは、現在研修員自身が抱えている問題でもあり、非常に参考になった、との感想が多く聞かれました。
 
講義後には、研修員は鹿島港見学船に乗り、整然と立ち並ぶコンビナート群や巨大タンカーを目にし、整備された大規模な港開発の様子に驚いていました。さらに、鹿島下水道事務所および鹿行(ろっこう)水道事務所も訪問した研修員は、設備規模の大きさ、技術力の高さ、整った管理運営体制などに加え、東日本大震災での甚大な被害から復興し、その経験を施設の改善につなげている、という説明を聞き、大変感銘を受けた、と感想を述べていました。

茨城県のご協力と研修員の学び

今回の視察にあたり、茨城県政策企画部地域振興課、鹿島港湾事務所、鹿島下水道事務所、鹿行水道事務所の皆さんが受入れにご協力くださいました。講義では質疑応答も含め大変丁寧なご説明をいただき、また、見学の際には惜しみなく設備等ご紹介いただきました。研修員にとって今回の訪問は非常に貴重な経験となりました。

ジョージア研修員のジョージさんは「工業地帯の未売却面積が全体の1%だけというのは素晴らしい成功例だ」、バングラデシュ研修員のアリムさんは「鹿島港に採用されている人工堀込式の手法は、自分が手掛けるプロジェクトと同じ方法で大変参考になった」との感想を述べていました。

16名の研修員は約1か月の研修を終えてそれぞれの国に戻りましたが、今回の研修で学んだことを活かして、自国の発展に貢献してくれることを期待します。