【報告】「地方での生計維持を目指した養蜂振興プロジェクト」 BeeDep-MONGOL 2)始動!

2019年3月15日、BeeDep-MONGOL 2が始まりました。 これは、2015年4月~2018年4月まで実施した「養蜂振興による所得向上プロジェクト」を発展させた、後継案件に当たります。 実施団体である(公社)国際農林業協働協会からプロジェクトの進捗状況を報告いただきました。

2019年6月6日

これまでの成果と課題

先行案件である「養蜂振興による所得向上プロジェクト」では、セレンゲ県を対象地域として、ミツバチ飼育技術の移転による蜂蜜の生産性向上、生産工程管理による品質向上と養蜂人材の育成を図りました。その結果、対象地での蜂蜜生産性は大きく向上し、養蜂指導者やリーダー的養蜂家が出てきています。また、プロジェクトで作成した飼育技術マニュアルや衛生・品質管理手法マニュアルは、現在、モンゴル国内で広く活用されています。
しかし、モンゴル全土に技術が普及・定着するには至っておらず、リーダー的養蜂家についても更なる技術向上の余地は大きい状況です。また、生産工程管理を導入したものの、対象地域が限られていたため、影響は限定的で、他地域への普及や品質向上が求められます。
養蜂が持続的な地方産業として成立し、将来にわたって地方住民の生計維持の手段となるためには、これらの課題を発展的に解決していかねばなりません。

養蜂の未来のために目指すこと

ダルハンオール県で実施した養蜂家向けセミナー

現地の蜂群状況をモニタリング

本事業では、先行案件の成果を活用しつつ、先行案件ではカバーできなかった経営や販売の分野の活動を行うとともに、飼育技術や品質管理技術のさらなる普及と定着を行い、最終的には、養蜂振興の手引書をとりまとめることを目標としています。

パイロットサイトはダルハンオール県ですが、そこでの活動は、ダルハンオール県養蜂家への技術移転ではなく、技術を手引書に落とし込んでいくことを目的としています。プロジェクト開始早々に実施した養蜂家対象のセミナーでは、「モノや資金の支援はありません。技術指導も手引書作成のためです。でも、未来のモンゴル養蜂家のため、プロジェクトに協力してほしい」というプロジェクトマネジャーの発言に、100名を超す養蜂家から自然と拍手が沸き起こりました。

また、手引書が実際に関係機関で活用されるよう、養蜂に関係する機関をメンバーとしたアドバイザーグループを立ち上げました。5月8日に行われたキックオフミーティングでは、強い期待が示されるとともに、手引書作成に当たってのアイデアや具体的な協力方針などの発言が相次ぎました。
先行案件以上の成果を目指して、プロジェクト関係者一同、力を尽くせることを楽しみにしています。

事業・研修の概要
地方での生計維持を目指した養蜂振興プロジェクト(モンゴル)
実施期間:2019年3月~2021年12月(2年10ヵ月)
実施団体:公益社団法人国際農林業協働協会
※詳細は関連リンクの案件概要をご参照ください。