TICAD7サイドイベント レポート2. ABEイニシアティブ研修員が、日本とアフリカの「KAKEHASHI」に!

2019年8月27日にTICAD7サイドイベント「アフリカビジネスプラットフォーム ~アフリカの若者が支援する日本企業のアフリカ進出」にて、ABEイニシアティブプログラム(以下、ABE)卒業生が立ち上げた、日本企業のアフリカ進出支援事業「KAKEHASHI AFRICA」について紹介されました。

2019年9月5日

【ABEイニシアティブとは】

当日イベントの様子

ABEイニシアティブ(African Business Education Initiative for the Youth)とは、2013年6月に横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(以下、TICAD V)において、日本が官民一体となってアフリカにおける強固で持続可能な経済成長を支援するために実施することとなった、アフリカの若者のための産業人材育成事業です。この事業では、日本の大学院修士課程での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供することで、将来日本とアフリカ各国を結ぶ懸け橋となり得る人材を育てることを目的としています。TICAD Vでは「同事業において5年間で1000人のアフリカ若者人材を受け入れる」と表明され、これまでに既に1000人以上を受け入れています。

【日本とアフリカをつなぐKAKEHASHI】

近年、アフリカの好調な経済成長と高い人口増加率を背景に、日本企業のアフリカへの関心はさらに高まり、アフリカへの進出事例も確実に増加しています。「KAKEHASHI AFRICA」は、日本企業がアフリカに進出するために必要な情報を、アフリカ54か国から集まる研修員同士のネットワークを活かして、提供しています。当日のイベントでは、7名のABE研修員が「日本企業がアフリカ進出する際の課題とは?」をテーマに議論しました。

ABE卒業生ケニア出身のサティさんは、「日本企業が一番苦労する点は、アフリカ諸国ではセキュリティー面の懸念に加えインフラの未整備等、ビジネスをする環境が整っていない点が挙げられる」と話しました。また、コートジボワール出身のココさんは、「アフリカ諸国は、国ごとに法律と市場体制が異なるため、起業までのプロセスが日本と異なることも、苦労する点であろう。」と話しました。さらに、モロッコ出身のマハさんは、「日本企業にとっての最大の困難は「現地のことをよく知らないことである、現地の人の視点や感覚を知ることはとても重要である。」と話しました。

これらの課題を解決するために、KAKEHASHI AFRICAが発足され、アフリカ進出を目指す日本企業に信頼性の高い情報と、アフリカの現地パートナーとのアクセスルートを作って提供しています。

現在、KAKEHASHI AFRICAはケニアにて正式にNPOとして認定されており、50か国から約450人のメンバーが運営・活動しています。JICA東京所管の長期研修員も多数在籍し、日本・アフリカ母国の両国にて活躍されています。今後も、彼らの活動を通して、ABE生がアフリカ諸国と日本を繋ぐ多くの「架け橋」になることを期待しています。