【報告】JICA×埼玉県教育委員会 教育分野における国際理解推進活動報告会

今年度、埼玉県教育委員会との自治体連携で、短期協力隊員として南アフリカ共和国へ派遣された3名の教員、現職教員特別参加制度でJICA海外協力隊に参加された教員、そして教師海外研修に参加された教員に現地での活動や帰国後の授業実践について発表して頂きました。

2019年11月1日

埼玉県教育委員会 高校教育課 石川 薫課長による挨拶

10月26日(土)にJICA東京にて「JICA×埼玉県教育委員会~教育分野における国際理解推進活動報告会~」を実施しました。
JICAと埼玉県教育委員会は2006年に連携協定を結び、人事・知見の交流や様々な協働連携を10年以上にわたりしてきました。現在、JICA東京市民参加協力第一課では埼玉県教育委員会より岡田直人先生が学校教育アドバイザーとして派遣されています。2016年からは海外協力隊(自治体連携)として南アフリカ共和国への派遣を開始しました。その他にも、埼玉県の教育委員会からはこれまで66名の方がJICA海外協力隊(現職教員特別参加制度など)に参加しています。

【活動報告① JICA×埼玉県教育委員会連携事業】

自治体連携ボランティアに参加された澁谷先生

自治体連携ボランティアに参加された徳武先生

自治体連携ボランティアに参加された村上先生

7月23日から8月22日までの1か月間、自治体連携の協力隊員として南アフリカで理科教育発展のために派遣された埼玉県立川口東高校の徳武知征先生、同県立大宮高校 澁谷平先生、同県立南陵高校 村上健先生の三人が、現地での活動や生活について報告しました。




滞在中17校を訪問し授業を行った他、科学館でもスタッフ向けの講義を行い、延べ2500名に対し講義を実施しました。







1か月の活動を通し、3名の先生方は、コミュニケーション力の大切さや学びの楽しさや面白さを改めて感じるとともに、「生徒の目が輝く授業をしたい」と考えるきっかけになったと話していらっしゃいました。

【活動報告② JICA海外協力隊経験教員による現地活動報告及び学校現場での取り組み事例報告】

現職教員特別参加制度でベトナムへ派遣された篠田先生

2016年7月から2018年3月まで現職教員特別参加制度でJICA海外協力隊としてベトナムに障害児・者支援の職種で派遣されていた同県立草加かがやき特別支援学校の篠田紗枝先生が現地での活動報告と帰国後の学校での取り組みについて発表しました。
現地では、日本とベトナムの勤労観の違いに戸惑いながらも、現地職員のサポート役として授業を支え、確かな信頼を得ました。ベトナムには「先生の日」があり、同僚から「私の先生はあなたよ」と受け取ったプレゼントは人生で一番嬉しかったそうです。
帰国後は、所属先で帰国報告会を行った他、外国籍の生徒のサポートをするなど自身の経験を活かしておられます。「協力隊の経験はお金では買えない経験だった」と話していらっしゃいました。

【活動報告③ JICA教師海外研修参加者による授業実践報告】

教師海外研修に参加された石井先生

2017年度JICA教師海外研修に参加した同県立蕨市立中央小学校の石井理紗子先生が、授業での実践事例を紹介しました。「よりよい未来を創る」をテーマに授業にSDGsを取り入れ、ベトナムでの経験や写真を交えながら子供たち自身にこれからの未来について考えてもらい、担当していた小学6年生のクラスでは子供たちが意見文を作成したそうです。石井教諭自身、小学校の頃の先生に影響を受け、国際協力・国際理解教育に興味を持った経験から、受け持つ子供たちにも楽しみながら自分たちの未来のために世界に目を向けてもらおうと取り組んでいらっしゃいます。
来年からはJICA海外協力隊としてパナマへ派遣される予定で、ますますの活躍が期待されます。

JICA東京では引き続き埼玉県教育員会との連携を強化していくとともに、世界で活躍したいという
先生方を応援していきます!


報告者: 市民参加協力第一課 佐久間 大樹